『タガタメ』Mr.Children
❶『 Who killed that family。。』
~あの家族は何に殺されたの?~
一本の電話が会社にあって、
私は煩わしく思いながら受話器を取った。
(また母からか…)
『19歳』
私はやっと故郷を出て、
自分の人生を歩き始めた。
高校を卒業したばかりの田舎者の私が、
都会で何も無いところから
新生活を始めるのは大変だ。
(それでも今までの事を考えればマシ…)
虐待を受けた。。
酷い日々だった。。
学校ではいじめに逢い、
不登校にもなった。。
(ここを出ていこう!)
高校三年生の就活で、
私は東京へ行くことを決めた。
(私、東京行くから!)
母はとても寂しがったけれど、
私の決心は固かった。
(元気にしてるよ。うん大丈夫。)
(あんだ?(あなた)ニュース見たべか?)
母は生まれてこのかた
故郷を出たことがない。
母の訛り…
少し懐かしい。
(いや、忙しくて見てないよ?)
『Kさん、亡くなったんだ。』
『あんなニュースの内容じゃないんだ。』
『何?よく分からないんだけど?
忙しいからまたね。』
会社だし長電話できない。
私は電話を切ろうとした。
『息子さんが殴って死なせたんだって…』
『 Kさんを。。』
( 。。。。)
Kさんは実家近くに
住んでいた人で、
私達が母の内縁相手から逃れて、
やっと落ち着いて住み始めたアパートの
目と鼻の先に住んでいた。
私より3つくらい下の男の子と、
小さな女の子がいて。。
父親も最初はいたけれど、
いつしか…見かけなくなった。
ある雪の降る夜。。
トントンとドアをノックする音がした。
家には私と兄弟しかいない。
『はい。どなたですか?』
『 Kです。』
ドアを開けるとKさんがいた。
寒そうな顔をしていて。。
『1000円貸してほしい。』
そう言ってきた。
うちも1000円がないと
話すと帰って行った。。
あくる日に母に事の顛末を話すと、
母は驚いて、
(もうあのお宅へ遊びに行ってはダメだ)
と話してきた。
訳が分からない私は、
ただそうするしか無かった。。
(あのKさんが。。)
背筋が凍り付いたような気がした。。
私も。。
あの頃…母に消えろ!と、
願ってしまったことがあったから。。
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今から話すこと。
『マコトとあーるけーの回顧録*°』
から、
『回顧録のその先へ*°』
これから書く回顧録は存命している母の
アルコール依存についてと…私の反発や葛藤。
それでも生きていく兄弟との日々。。
そして世間の厳しさに立ち向かう話となります。
その始まりは25年程前の『ある事件』をきっかけ
に回顧していきます。(内容は回顧録のその先へ0に)
その間、私達に起こったことは…
『それでも生きていく』で綴ります。
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~Who killed that family~
あの家族は何に殺されたの?
小さな町で起こった悲しい事件。。
果たしてその家庭だけの問題だったのか?
何とか守れなかったのか?
最悪の結果を招く前に何が必要だったのか?
考えていきたいと思います。。