3泊4日のバス旅ルートはもういくつか作っていたので、今度は水バラの対決旅のルートを考えてみようと思いました。


実はこのブログを始める前に、伊勢から田原市を経て常滑という架空バスvs鉄道ルートを作っていたことがあったので、第20弾でその逆をやられたのが少し悔しかったというのもあります。



【企画の核はDMV】

今回の記事では、高知県東洋町の「甲浦駅」から岡山県岡山市の「岡山後楽園」というルートを考えてみます。


このルートを考え出したきっかけは、「バスと鉄道の両方を扱う企画であるこの番組は、バスモードと鉄道モードを使い分けて走るDMVという乗り物を取り上げるのに持ってこいなのではないか?」というところです。


DMVって何ぞや?という方は、以下のリンクをご覧ください。

DMVを運行している「阿佐海岸鉄道」のHPです。


路線図を紹介します。



■モードチェンジする駅は何扱い?


疑義があるとすると、このDMVがモードチェンジする甲浦駅と阿波海南駅を含む区間に、それぞれのチームは乗車できるの?という点です。


たとえば、甲浦から阿波海南まで向かうとすると、

 「甲浦駅バス停」で乗る

 →バスモードで線路に向かう

 →「甲浦信号場」で線路に乗って鉄道モードに

 →鉄道として走る

 →「阿波海南信号場」でバスモードに

 →バスモードでバス停に向かう

 →「阿波海南バス停」で降りる

という行程になります。


モードに忠実にすると、

[道の駅宍喰温泉⇔甲浦駅]

 バスモードだけ

 →バスチームが使える

[甲浦駅⇔宍喰駅]

 バスモードと鉄道モードの両方を使う

 →バスチームも鉄道チームも使えない

[宍喰駅⇔海部駅]

 鉄道モードだけ

 →鉄道チームが使える

[海部駅⇔阿波海南駅]

 バスモードと鉄道モードの両方を使う

 →バスチームも鉄道チームも使えない

[阿波海南駅⇔阿波海南文化村]

 バスモードだけ

 →バスチームが使える

となります。


今回は、細かいことは言わず、甲浦駅⇔阿波海南駅は鉄道扱いにしよう!ということでルート設計をしてみます。


その理由はかなり恣意的ですが、モードに忠実にした場合、甲浦駅側はスタート時間の調整でどうにかなるものの、阿波海南駅での乗り換えに難が生じるからです。


阿佐海岸鉄道、阿波海南駅で接続するJR牟岐線とスムーズに乗り換えできるように時刻表が組まれています。


例えば、今回のルートで使おうとしている時間では

 阿佐海岸鉄道 阿波海南駅 12:04着

 JR牟岐線 阿波海南駅 12:08発

となります。


海部駅は11:58着なので、そこから阿波海南駅まで1.6km歩くと、12:08発の牟岐線には乗れず、14:08を待たなくてはいけなくなります。

これでは、バスとのバランスがかなり取りにくくなると考えました。


ちなみに、甲浦駅⇔宍喰駅は徒歩4.5kmです。


【想定ルートは…】

さて、前説が長くなってしまいました。

それでは、本題の想定ルートです。

ロケ日は8/22(木)・23(金)と想定しました。



スタートは、オープニングでDMVが撮れるので、甲浦駅にしてみました。

阿波海南方面から来てバスモードに転換したDMVに、バスチームが乗り込みます。

鉄道チームはそれを見送って、折り返してくる便に乗る形になります。


チェックポイントは、

①旧牟岐小学校(徳島県牟岐町)

 あんどん作り:所要時間90〜120分

②御菓子処もみじや(徳島県阿南市)

 人気トップ3当て:所要時間45〜75分

③大鳴門橋記念館エディ(徳島県鳴門市)

 潮の道に出て渦潮見る:所要時間30〜45分

④家プロジェクト(香川県直島町)

 3軒見学して記念撮影:所要時間60〜90分

の4つにしてみました。


ゴールを岡山後楽園にしたのは特にこだわりはありません。

出演者が新幹線で東京に帰ることを考えると、岡山駅20:37発が最後なので、あまり駅から遠いところには設定できないと考えました。


また、タクシー代は10000円としています。

大鳴門橋記念館エディから引田駅までが9000円以上かかり、高松から直島を経て宇野にフェリーで行く場合の船賃が2460円です。

先着ボーナス次第で勝敗が決まるようにするには、10000円がちょうど良さそうです。


上の行程表では、かなり僅差でバスチームが勝つ想定になっています。

ただ、市街地の夕方は渋滞も発生しがちですし、バスには遅れが出るかもしれません。このルートをたどった場合、勝敗の行方は運に左右されそうです。



■あんどん作りに手こずったら?

第1チェックポイントは、廃校となった牟岐小学校の跡でのあんどん作りがです。

HPを見る限り、所要時間は90〜120分です。

上の行程表では、90分で見積もっていました。


このミッション後の動きを見ると、バスチームは次のバスまで時間があるので、多少手こずっても影響がありません。


一方、鉄道チームは14:24の列車に乗る行程になっているので、これを逃す可能性があります。

これを逃した場合、第2チェックポイントの先着ボーナスがバスチームに移ります。

すると、当初想定していた経路を辿るには、鉄道ルートのタクシー代が足りなくなります。


しかし、第3チェックポイントのミッションを終えた後の、香川県の引田駅までタクシーで向かう出費は避けられません。

高徳線の県境区間は非常に本数が少なく、徳島県側から高松に向かえるのは

 池谷6:54→7:45引田7:48→9:10高松

の次は

 池谷12:44→13:18引田13:23→15:01高松

であり、さらに香川県側の折り返し駅である引田から出る便も

 引田8:18→10:01高松

 引田9:23→11:01高松

 引田11:23→13:01高松

と限られています。

何としても引田を9:23に出る便を確保しなくてはなりません。


そのため、鉄道チームは、フェリー代を浮かす方法を考えるしかありません。

鉄道チームには瀬戸大橋線があるので、岡山側の宇野へ向かい、宇野⇔直島の往復切符でフェリー代を安く済ませれば、ぴったり11000円となり、第3チェックポイントの先着ボーナスと合わせてギリギリ間に合います。



このように、バスチームが最適解を取ってきた場合には勝てませんが、およそ30分遅れでゴールが可能で、バスチームのミスがあれば勝てる状況になります。


また、第4チェックポイントの家プロジェクトは、港からも離れていますし、それぞれ離れた3つの建物の間の移動もあります。

ミッションの内容は、「3軒を見学して、指定された各5箇所で記念撮影せよ」とする想定です。


80分という所要時間は

 本村ラウンジ&アーカイブ(受付):5分

 3軒の見学時間:20分×3

 建物間の移動時間:5分×3

を想定しています。


ただ、受付から近い角屋、碁会所をこなして、最後に宮浦港寄りのはいしゃを選べば、ミッション所要時間を短くしつつ、宮浦港への戻りも少し縮められます。


もし、走ったり競歩したりすれば、16:02発の便に間に合うように宮浦港に戻るというのもできなくはない時間です。

そうなれば、どうにか岡山に入ってからの道路状況次第という運勝負に持ち込めます。


ただし、これはフェリー代が足りないという情報を事前に知っていた場合に限られます。

高松駅を一度出て、フェリー代を確認してから戻ったら、高松駅11:10発の列車には乗れません。

次の11:40発だと茶屋町に12:18着で、12:11発の宇野行きに間に合いません。この次は14:11発で、勝ち筋を失います。



■第2チェックポイントは影響小


ここまでで触れてきたように、第1チェックポイント、第4チェックポイントでのミッション所要時間は、全体のゲームバランスに大きな影響を与えると想定されるものでした。


しかし、第2チェックポイントのミッション所要時間は、全体の勝敗に与える影響はほとんどありません。


バスチームは初めから1時間以上の待ち時間がありますし、鉄道チームも鳴門駅に着くのが少し遅くなるだけです。

バスチームは最速で向かっても、鳴門公園行きの最終には間に合いません。鳴門駅前に泊まって翌朝の始発で鳴門公園に向かうでしょう。

鉄道チームはできるだけ鳴門公園の近くに泊まり、バスの始発を確認した上で、それより早く着くように朝の出発時間を決めるのではないでしょうか。

鳴門に着くのが遅くなる場合、阿南で待ち時間ができて、その時間に宿への連絡ができるので、宿探しへの影響も限定的だと思われます。



■第3チェックポイントは8:40には終わる

上でも触れたように、この後は両チームともタクシーを飛ばして引田での乗り継ぎに挑まなくてはなりません。


もし引田で乗り逃したら、両チームはどうなるでしょうか?



両チームとも引田での待ち時間が響きます。


バスチームは高松からフェリーに乗るしかなく、そのフェリーは12:40発の次が15:35です。これに乗ると、家プロジェクトの開館時間が終わり、失格となります。

ただし、引田10:15発に間に合えばいいので、時間的には余裕があります。


鉄道チームは前述の通り、引田発が9:23のあと11:23しかありません。11:23に引田を出ると高松着は13:01。これではフェリーに間に合わず、瀬戸大橋線回りになります。

しかし、こちらも宇野港14:25発に少しだけ間に合わず、15:30発を待つことになります。16:05頃に受付はできますが、16:30までにミッションを完了することはできず、こちらも失格になります。


ここから、ミッションは遅くとも8:40には終えられるものにしないと、鉄道チームが最適な乗り継ぎ判断をしたとしても失格となります。番組として脆弱なゲームバランスになってしまいます。


大鳴門橋架橋記念館エディに到着してミッションを発表、渦の道の展望室から渦潮を見て記念撮影をすることに。


遊歩道を450m通り抜け、展望室で記念撮影して戻るだけなので、およそ20分前後で完了できるミッションかと思います。


タクシーと待ち合わせができる道路まで歩く時間を踏まえても、8:40にタクシーに乗り込むのは余裕がありそうです。



■バスチームは鳴門公園からタクシーに乗れるか?

ここまで、渋滞さえなければバスチームが勝つという想定ばかり話してきました。

しかし、最後に、バスチームの難しさについて触れておきたいと思います。


ここまで、第3チェックポイントを終えたあと、タクシーで引田に向かうことを前提に話をしてきました。

この判断は当たり前にできるものなのか?という観点です。


バスチームは、鳴門駅前から鳴門公園への始発バスで来て、ミッションに挑んでいます。

そして、ミッションは8:40には終わる見込みです。

鳴門公園から鳴門駅前に戻るバスが8:50に出るため、これに乗り込む計画を立ててしまうことも想像されます。

さらに、このバスは鳴門駅前に9:12に着き、鳴門駅前9:35発の引田駅前行きに割とスムーズに乗り継げるため、タクシーを使う判断に至りにくいかもしれません。

これが大きなトラップで、このバスは引田駅前10:17着なので、タッチの差で10:15発の高松駅行きを逃すダイヤになっています。


ただ、この時点で詰みとまでは言えず、引田でバスを逃してすぐタクシーを手配し、西に向けて歩きながらピックアップを乞い、10分程度でタクシーにありつければ、逃したバスにどうにか追いつけると思います。


引田駅前にあった「東讃合同タクシー引田営業所」は閉業していて、引田駅前タクシーのりばにタクシーが待機していることも期待薄です。


バスに追いつかないままタクシー代が尽きれば、バスチームは失格になりますが、これまた運要素になりそうです。



■バスチームの天満屋乗り換え

バスチームにはもう一つハードルがあります。


宇野から岡山駅に向かう特急バスに乗り、それを途中の天満屋で降りて、後楽園前に向かうバスに乗り継ぐ形を取っています。

この乗り継ぎによって、鉄道チーム最適解との渋滞勝負に持ち込んでいたわけですが、この選択も当たり前のものではなさそうです。


天満屋からそれほど距離がないという判断をして、バスを待たずに徒歩20分という選択肢もあるかもしれません。

この場合、バスを乗り継ぐ場合とおよそ到着時間は一緒です。特急バスの遅れが5分前後に収まれば、バスチームが勝つ可能性が高いでしょう。


では、終点の岡山駅まで乗ってしまったらどうでしょうか?

岡山駅着が17:46で、その後に後楽園前に向かえるバスは18:00発18:12着です。

この選択をしていたら、鉄道チーム最適解に勝てません。渋滞で岡山駅に到着するのが遅れたら、18:00発すら逃します。

・岡山駅18:17→18:26浜+徒歩5分

・岡山駅18:12→18:16県民局入口+徒歩12分

・徒歩23分

といった選択肢がありますが、どれも到着は18:30頃になります。

鉄道チームが第2チェックポイントの先着ボーナスを逃して、瀬戸大橋線経由で向かった場合といい勝負になってしまいます。



長くなってしまいましたが、ここまででルート説明は以上です。


最適解を取った場合にはバスチームがやや有利ながら道路状況次第で勝敗が変わりうるという設定になります。

また、バスチームは最適解を取るのが難しく、鉄道チームはそうでもないため、どちらかというと鉄道有利とも見ることができるルートになっているかと思います。