土曜日に、ローカル路線バス乗り継ぎの旅W第3弾の予告が出ました。


7/20(土)18:25〜と、間は空きましたが、今まで通りの土曜スペシャル枠での放送です。


スタート地点は愛知県の伊良湖岬、ゴールは長野県の善光寺とのことです。

愛知県と長野県は接していて、豊田市から根羽村に抜ける路線も有名です。

県境越えがハイライトになりがちなこのシリーズですが、今回は広い長野県をどう北上していくのかが見どころとなりそうです。



【根羽・飯田・伊那ルート】

まずは、先ほど触れた豊田市から根羽村に抜ける路線を使うルートを調べてみました。


4日とも平日という想定で調べています。


土日を含む場合の検証は、次の記事で書いてみたいと思います。

以下は細かい検討です。


■伊良湖からは豊鉄バスエリア

最初の選択肢は豊鉄バスの伊良湖本線、渥美病院行きしかありません。

この伊良湖本線は、伊良湖岬⇔渥美病院の系統と、途中の保美⇔豊橋駅前の系統に分離されていて、保美〜渥美病院の間は重複していますので、どこでも乗り換えることが可能です。


どこかで乗り換えて豊橋駅まで行ったところで、おそらく聞き込みをするでしょう。


豊橋駅前に12:06に着きます。時刻表上は

 12:15豊橋駅前→13:48新城市民病院

という便に乗り換え可能ですが、聞き込みをしたらこれには間に合わないと想定しました。

なお、この12:15発に乗ったとしても、次の田口行きの本数が少なく、同じ便に乗ることになります。


豊橋駅での聞き込みで新城行きを教えてもらえれば、同じ豊鉄バスの新城営業所管轄路線なので、田口行きの情報も得られるでしょう。



■どう県境を抜けるか

田口まで来ると、県境が視野に入ってきます。


このあたりは民間のバスが撤退していて、北設楽郡の設楽町・東栄町・豊根村が北設楽郡公共交通活性化協議会を構成して路線を運営しています。


一旦北設楽郡を出て、愛知県内の豊田市に移るとバスで県境越えができるのですが、この協議会の路線に詳しい人に出くわすと、豊根村のできるだけ北まで行くというアドバイスがあるかもしれません。


これに従った場合は、豊根村役場前より先に進めるバスは翌朝までありません。



しかし、その付近に宿がなく、田口に戻る便も終わっています。第2弾のようにホテルや旅館ではないところに泊めてもらうような形になってしまいます。


急に来た人を泊めてくれるような人情を番組制作サイドが当てにしてルートを作るとは思えず、模範解答にはないと思いますが、どうにか泊まれれば、長距離の山越えをしたのち、バスは余裕を持って繋がります。



■話は戻り、豊田市稲武地域へ

元のルートに話を戻すと、豊田市の稲武を経て、根羽村へ至る計画でした。


歴史的には、北設楽郡の協議会による路線のほとんどは、豊鉄バス撤退を受けて再編されたものですが、田口〜稲武の稲武線だけは元々名鉄バスの路線でした。

この先で乗り継ぐ根羽線など豊田市内のコミュニティバスも同じ名鉄バスからの移管です。昔のバス路線を知っている人は、根羽経由の乗り継ぎを思いつきやすいかもしれません。


宿泊は、どんぐりの湯前バス停のある集落になります。一例として挙げたホテル岡田屋のほか、青柳亭も徒歩圏内にあります。

hibiというB&Bもありますが、ここは本業が家具屋さんで、泊まれる家具屋として1組限定で受け入れるスタイルなので、この番組での利用は難しいでしょう。ホームページを見ましたが、個人的にはすごく興味の湧く宿でした。



■根羽で4時間待ったら飯田では…

いよいよ県境を越えます。


早朝の便で出発するものの、根羽で4時間弱待ちます。

稲武⇔根羽が1日3便、根羽⇔こまんばが1日5便しかなく、山間部を長い距離走る路線なので、この待ち時間は不可避かと思います。


バス停付近の商店で朝ごはんを買うとか、観光目的のタクシー利用で「森の駅ネバーランド」に行くとか。もしネバーランドに行くなら、Wになってからタクシー利用は初になりますね。


その後、こまんばでも40分程度の待ち時間があり、およそ12時なので、ここで昼食を取るでしょう。


飯田駅前に着くと、信南交通の阿島線で高岡というバス停まで向かえます。この高岡には、隣の高森町のバスが来ていて、歩きなしで乗り継げます。


ただ、こまんばから飯田駅前に到着するのが12:48。次の高岡方面行きは16:25発なので、3時間30分以上待つことになります。


飯田駅前から高岡へは歩いても1時間10分少々。

根羽で4時間待った直後に、ここでも3時間待つという判断をするとは思えません。


高森町のバスの情報もこの時点では持っていないと思われるので、20〜30分ほど聞き込みをしたのち

・13:15頃から70分歩き

・13:30発の市内循環線で加賀沢橋→徒歩50分

のどちらかで動くと考えます。



■山下商店東から道祖橋の乗り換え

高森町のコミュニティバスに乗ると、隣の松川町との境に近い山下商店東に16:20に着きます。


道祖橋までは徒歩4分なので、バスに遅れがなく、道に迷わなければ16:29までに着くことができるでしょう。

ただ、道祖橋は伊那街道上にはなく、細い農道に5mぐらい入ったところにあります。松川町のバスの情報を得ていなかった場合、スルーしてしまうかもしれません。

そんなわけで、余裕を持った次発の17:54でルートを作ってみました。


ただ、16:29に乗れると

 道祖橋16:29→16:52役場前(松川町)

 徒歩6分(0.6km)

 伊那大島駅17:30→17:41チャオ

 チャオ17:45→18:18飯島駅

と接続が綺麗に取られていて、飯島駅到着が2時間弱早まります。


3日目以降の行程は同じですが、飯島駅はそれほど大きな駅ではなく宿泊施設も限られるので、早く着くことの価値は高そうです。


そもそも論で、東に逸れて中川村に入る作戦を思いつかないかもしれません。

松川町の北に接する飯島町にまっすぐ向かうとバスがないので、大沢北部というバス停から90分ほど歩いて飯島駅に至ることになります。

時間的にはそれほどロスになりませんし、平坦なので、このメンバーなら7km弱は問題ないのかもしれませんが。


伊那大島駅は松川町にあって、松川町のバスの終点は役場なので、バスで乗り継ぎたいと誰かが言えば、役場で情報は得られると思います。



■魔の3日目は長距離の徒歩不可避か

飯島駅からは、駒ヶ根市内にある昭和伊南総合病院まで飯島町のバスが出ています。


しかし、その先はバスがなく、宮田村を徒歩で突っ切るしかなさそうです。

徒歩5.5kmで赤木駅前までつなぎ、伊那地域定住自立圏伊那本線なるコミュニティバスで、ベルシャイン伊北店に向かいます。

そこからはまたバスがないので、辰野町のバスがある宮木公園前まで5km少々歩くことになります。

宮木公園前は国道153号にあるので、北を目指してまっすぐ歩いていれば見つかるでしょう。



■早く歩けば曜日によっては…

ベルシャイン伊北店の到着が12:03で、Googleマップで徒歩72分と出る距離です。道を確かめながら進むと、13:20頃の到着になると思います。


順当に行くと逃しますが、ハイペースで歩いた場合、宮木公園前を13:13に出る便があります。

この先の小野駅に向かう飯沼線(☆)は曜日ごとにダイヤが異なります。


<月・水・金の場合>

 宮木公園前13:13→13:22中の橋

 中の橋13:22→13:58小野駅前☆

 小野駅14:27→14:55塩尻駅前

 塩尻駅前15:10→15:40倉村

 倉村16:08→16:34松本バスターミナル


1本早く乗ることで、徒歩なしで松本まで辿り着けるようになります。到着時刻も格段に早くなります。

ただ、この先の鹿教湯温泉行きは1日2便のみで、9:30発と14:15発なので、4日目の行程に影響はありません。


<火・木の場合>

 宮木公園前13:13→13:22中の橋

 徒歩12分(0.9km)

 下雨沢14:53→15:00小野駅前☆

 小野駅16:25→17:06塩尻駅前

 塩尻駅前17:35→18:10大宮八幡

 徒歩40分(2.9km)

 寿台東口19:20→19:42松本バスターミナル


この場合は、小野駅を出るバスがなく、元の行程とほとんど変わらなくなります。



■北上は厳しい… 一旦東の上田へ

松本市から長野市へ向かうルートを考えたとき、車や鉄道なら、長野自動車道や篠ノ井線が通る筑北村や麻績村経由が順当ですが、路線バスではこのルートはつながりません。


鹿教湯温泉、上田と東進して、坂城町と千曲市を経て長野への至るのが、最も繋がりやすいように思います。


先ほど触れた1日2便しかない鹿教湯温泉行きの朝の便に乗ると、そこから上田駅に向かう千曲バスに乗り換えられます。


上田駅では降りずに、終点の下秋和車庫まで乗ると、坂城町に近づくことができます。

下秋和付近は、坂城町のバスが朝夕に通るだけで、日中は路線がないので、徒歩で市町境を跨ぐ必要があります。

およそ4kmなので、1時間弱かかるでしょう。


その後は、坂城町のバスが千曲市内の力石公民館まで伸びてくれているおかげで、ほぼ徒歩がありません。

コミュニティバスで屋代駅まで行ければ、長野松代総合病院、長野駅と転じるルートを探すのはそこまで難しくなさそうです。


今回の検証では屋代駅に16:51に着いたあと、17:00発のバスに乗っていますが、聞き込みのためにこれを逃したと仮定しても

 屋代駅17:40→18:00長野松代総合病院

 長野松代総合病院18:08→18:44長野駅

 長野駅19:00→19:07善光寺大門

と難なく繋がります。


さらに、千曲市内での乗り継ぎで、上山田戸倉出張所から下久保に少しだけ徒歩を挟みます。

ここで道に迷うと、バスを逃してしまうかもしれません。

その場合は、徒歩で戸倉駅まで突っ切る他になさそうです。

 下久保16:30頃?

 徒歩1時間48分(7.9km)

 屋代駅19:10→19:30長野松代総合病院

 長野松代総合病院19:43→20:19長野駅

 長野駅20:50→20:57善光寺大門

それでも、このあたりの終バスは遅く、クリアできそうです。


坂城町の鼠踏切東での乗り継ぎ時間にも余裕があるので、3日目の夜または4日目の朝のうちに、鹿教湯温泉行きを決断できていればクリア可能というルートだとわかります。


とても長い記事になってしまいました。

このあと、別の記事で、「土日を含んだら?」という検証や、「中山道ルートは?」という検証もしてみたいと思います。