もしパーソナリティ障害を抱えていたならば、治療者はさまざまな方法を用いて、信頼関係を築くために、さらに多くの時間を費やしただろう。その中には、治療者に対する考えを彼女自身に定期的に評価してもらうことも含まれる。認知療法は、協同作業と治療への積極的関与を重視する。治療者は、彼女が治療を協同作業としてとらえるように誘導した。すなわち2人は、セッションに取り組む課題や、セッションの頻度、次回までに取り組むべきホームワークについて、協力して決定するのである。治療初期には、治療者側がより積極的にセッションで行うことを提案したり、セッション中に話し合ったことを要約したりする。抑うつが軽減され、彼女が沿療セッションに適応するにつれ、より積極的にアジェンダ(セッションでの話題)を選択し、思考の歪みを修正し、重要なポイントをまとめ、ホームワークで取り組む課題を考案するようになっていった。認知療法は、問題に焦点を当て、目標志向的である。治療者は共同セッションで彼女に対し自分の抱える諸問題を列挙し、具体的な目標をいくつか投定することを求めた。