「母国」「愚直」「トヨタ生産方式」という言葉が何度か出てきた今回の全国トヨタ販売店代表者会議。


日本は日本らしく、原点に立ち返ってブレずにやっていこうよ、というメッセージじゃないかと感じました。


いわゆるトヨタ生産方式、これをいかに販売店で昇華させていくか。これこそが世界中のディーラーで日本しか出来ないことなんじゃないかと。


「工場の考え方が販売に通用するか!」この話しよく聞くんですが、これはトヨタ生産方式の「生産方式」という言葉だけとるとそうなってしまいます。

でも、トヨタ生産方式は「物の造り方」ではなくて、「物事の考え方」なんですよね。


色んな意味で誤解されることの多い、トヨタ生産方式。例えば、標準化。


トヨタの標準と、世間のマニュアルというは違います。ましてや、マニュアルに沿って実行しているかを管理するものでもないんです。


品質の確保という意味ではマニュアルと同じかもしれませんが、トヨタのいう標準とは、改善をすすめていくのに必要な要素でもあります。標準があるから異常がわかり、異常が共有できるから改善が進む。


トヨタの標準化がマニュアルと違うのは、それぞれの現場に創意工夫が奨励されていることからもわかります。でも、その創意工夫が部分最適に偏らないように全体最適を考える人達がいます。それでも変化し続けることは難しいから、無理矢理にでも変化点を打ち込む特殊部隊もいます。


トヨタ生産方式の根底にある理念は「Just In Time」と「自働化(異常管理)」

お客様へのJust in Timeを追求し、常に変化し続けれるように異常管理(異常を見えるようにして、対策を打つ)をしていくこと。


別にこれは製造の話ではなく、1分1秒お待たせしたくない、お客様の変わっていくニーズに応えていきたい、というむしろ販売に必要な考えでもあります。その理念を実行したトヨタは製造業だから、「生産方式」という名前になっただけなんです。


今自動車会社は勝つか負けるかということではなく、生きるか死ぬかという瀬戸際。


愚直な改善活動の積み重ねでは、確かに革新的なことは生まれづらいです。ウサギとカメなら、間違いなくカメです。



ただ、車が故障して止まってしまったら、生きるか死ぬかという局面に立たされる国の人たちが選ぶクルマはトヨタ車。

その止まらない品質を追求してきたのが日本のトヨタ。バカ真面目に改善を積み重ねて来た結果。


根底にあるのはやっぱり信頼。

だからこそ、ブレずにそこを追求していこうと思ったのでした。