よく質問の答えが大雑把だったり、トンチンカンだったりすると、「えー、ちゃんと考えてる??」と感じてしまうことがあると思います。
そんな時、一旦その気持ちは置いておいて「自分の質問の仕方は良かったのか?」を考えてみると良いかもしれません。

例えば
「うちの会社は業界No.1になれると思う?」
という質問に対して
「なれます!」と答えが返ってきたとします。
その際、理由を聞くと思うのですが、この質問だと内容が大きすぎて、理由を伝えるのもとても難しいです。そうなると
「だって、いい会社ですから!」「がんばってますから!」みたいな答えしかできません。
そこに、またなんで?を聞いても「いや、だって・・・」という押し問答が始まってしまいますよね。

多くの人は、考えていないのではなく、どう答えていいのかわからないだけです。あるいは、ある分野では考えているけど、ある分野では考えていないということかもしれません。

そんな時は、聞く側が具体的に聞いてみると、もう少し引き出せるかもしれません。
例えば、最初の切り口として「お客様満足度」「従業員満足度」「法令遵守」「売上」「利益」みたいな感じです。
この5つの観点で一つ一つ質問していくだけでも相手は答えやすくなります。
そしてお客様満足度の中にも、「ご来店時」「ご購入時」「1年後」「3年後」だったり、
従業員満足度も、「内定時」「入社時」「1年後」「5年後」「10年後」みたいにできますよね。

こうしていくと、質問する側は、相手がどこをどれだけ考えているのかが明確になってきます。きっと、「そんな良いこと考えていたんだ!」だったり「あ!そこが今まで会話がかみ合わなかったとこなのかー!」「そこで悩んでたんだー!」と思うことがたくさん出てくると思います。

また、質問される側も、「ここは考えていた」「ここは考えていなかった」や「ここは出来ている」「ここは課題だ」という認識も深まっていきます。

かくいう私も「相手が理解してくれないのは、お前の説明が悪いからだけだ!」と何度も叱られたり、「そういう聞き方じゃ、部下の方は答えようがありませんよー」と指導いただいたり、毎日毎日が試行錯誤です。質問の仕方はセンスではなく、練習だと実感しています。しかもすぐにはうまくならないですし、頭をフル回転させないと深く聞いていく事はできません。

プレゼンテーションや提案力など、アピールする方法はもてはやされますが、聞き出し方だって同じくらい、いやそれ以上に難しく、練習しないとうまくならないものです。ざっくりとした回答しか返ってこない時は、ざっくりとした質問しかできていないのかもと自分事化して課題認識をもつといいかもしれませんね。