臼井一世氏のお別れの会へ伺いました。

国会議員を務められた臼井荘一氏の長男であり、我々の世代だと臼井日出男氏が有名ですが、その方のお兄さんです。

臼井家は、大正8年、千葉県初の映画館を建て、その後千葉興業株式会社として千葉県の映画産業を牽引され、映画界でも老舗中の老舗。一世氏は、その千葉興業株式会社の3代目社長を務められました。

ピンとくるのは、シネマックスではないでしょうか。千葉興業のシネマックスコンプレックス事業(今では当たり前になりましたが、同一施設に複数のスクリーンがあるもの)がシネマックスです。
千葉市にお住いの方であれば、千葉劇場をご存知かと思います。ここが千葉興業発祥の地です。

臼井さんというと議員さんというイメージが強いですが、亡くなられた一世氏のお父様である荘一氏は、選挙に出るたびに自ら築き上げた県内の映画館を売って選挙資金を作ったそうです。まさに清廉潔白だったんですね。

荘一氏の相続の際、世間的にも映画館事業が縮小していたこともあり、千葉劇場も取り壊して貸しビルにしよう、とほぼ決まっていたそうです。
しかし、最後の最後で、一世氏が「臼井家は映画を通して成り立ってきた。無くしてはいけない」と決断され今に至るそうです。弟さんである日出男氏が親族代表のあいさつで涙を浮かべて語られておりました。

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臼井一世氏は、生前のビデオでこのように語られていました。
『我々は映画という夢を売る商売』
『映画とはいつまでも若々しく、そして人生を学ばせてくれるもの』

心より御冥福をお祈りします。