メールを送った夜、夫は深夜3時を回っても帰宅しませんでした。電話もメールも何度もしたけれど全く連絡はつきませんでした。
私は絶望して泣き伏せていました。
もうじき自分の結婚生活は終わると思いながら。
3時半を回った頃、玄関の鍵を開ける音がして、私はやっと顔を上げることができました。
廊下の電気が灯され夫が静かに寝室へ入ってきました。
私:おかえり
夫:ただいま
私:なんでこんな遅いの。もう帰ってこないと思った。あんな大事なメール送ったのに無視して帰らないで、どういうつもりだったの?
夫:ずっと考えてた。ちゃんと一人で考えたくて…
仕事も長引いて終電終わってたから…会社から歩いて帰ってきた。
私:え?かなりの距離じゃない。電話くれたら迎えに行ったのに…
夫:いや、一人でちゃんと考えたかったんだ。ごめん。でもまだちゃんとした決断ができてなくて。
でも真剣に考えてるから。
私:分かった…ちゃんと考えてくれたんだね。もう今日は疲れただろうから休んで。
こんな会話を交わしました。
これが、夫が浮気開始後、初めて私に向き合った瞬間でした。
今まで、私がいくら涙を流そうと暴れ回ろうと歩み寄ることのなかった夫が、初めて見せた真摯な顔でした。
発覚後、夫に聞いた話では、夫はこの時、浮気相手と別れようとしていたそうです。
連絡がつかなかったのは女と長電話をしていたから。
でもまだ私にはバレてもいないし、また別れたくない女からの絆しは強力で、結局付き合いは続くわけです。
でも、私からのこのメールは夫を揺さぶることができたようで、夫は発覚までに女に何度も別れ話を持ちかけています。
この頃から、ほんの少しずつですが、夫の脳に蔓延る不倫菌をジワジワと引き剥がすことができ始めていたのです。
この日を境に少しずつ本来の夫の顔を私は垣間見ることができるようになりました。