月食 | 想像妄想空疎空想うそ日記

月食

 夜に散歩をしていたら、急に猛烈な空腹に襲われた。


 周囲にはコンビニも自販機もなく、家に戻るまで我慢できそうにない。


 ちょうど目の前にあった満月が大福みたいで旨そうだったので、空からもいで食べてしまった。


 以来、食べた月の呪いで俺の身体は満ち欠けするようになった。


 腹が減って減ってしかたないので、食べまくると腹がボールのように膨らんでまん丸に太り、限界まで太るとまた痩せていくのだ。


 そして痩せてがりがりになるとまた食べたくなって――。


「お前、ダイエットとリバウンドの繰り返しは身体に悪いぞ」


 月のせいなんだってば。