俺と守護霊
近所のスーパーに買物に行った。カゴに必要なものを放り込んでレジに行ったが、示された合計金額が思ったよりずいぶん高い。
見ると、カゴの下のほうに大量のチョコや飴が仕込んであった。
くそっ、またやられた。
「すいません、お菓子はいいです」
店の人に謝ると、顔なじみのその店員は快く頷いてくれた。
「守護霊さん、本当に甘党ですよねえ」てきぱきとカゴからお菓子を取り除いて再計算を始める。
最後の一個を外したとき、背後で悲しげなため息が聞こえた。
しかたないので、菓子の山からフルーツ飴の詰め合わせを再びカゴに戻す。
「あの、何回もすいません。これだけ下さい」
「判りました。では合計1650円になります……」
店を出てから飴を取り出して包装紙を剥いて、空に放る。
飴は空中でふいと消え、少ししてぴちゃぴちゃと嬉しそうに飴をしゃぶる音が聞こえ始めた。
「お前、欲しければちゃんと言えよな。まったくもう、恥ずかしいじゃないか……」