初霜が

あたりを覆う

冬の朝

あぁ秋も終わりと

北風吹いて
秋更けて

色鮮やかな

並木道

舞い散る落ち葉

北風に吹かれ
柿の木に

一羽のカラス

とまり来る

残った柿の実

見つめて思案
街路樹が

朝日に照りて

曼荼羅の

色鮮やかに

露と輝き
襟を立て

冷たい朝は

息白く

秋を見送り

冬の到来
しづれ降る

秋の夜には

雨音と

飲み干す杯

心に染みる
あぁ秋の

彼岸ですね

オヤジ殿

参りましたよ

日暮れギリギリ
十六夜に

虫が奏でる

セレナーデ

恋し思いに

忍び音響き
山の端に

秋の名月

煌々と

里の薄も

夜風に揺らぎ
夏がいき

庭の草陰

鳴く虫の

音色涼しく

月蒼き夜