歩く
渋谷から原宿まで歩き、そしてまた渋谷まで歩いて戻った。
何の目的もなく、いや、正確には何かが起こってくれるのではないかという、あの絶望的な期待を胸に秘めながら、ただ歩いた。
立ち寄ったスタバで太宰の人間失格を読む。不思議と、まったく心が動かなかった。きっと、俺は太宰よりもずっと中途半端で、まだ人生に何かを期待してしまっているのだろう。
渋谷に対する期待も薄れてしまった。そもそも期待しても裏切られるだけなのに。しかし、まだ家に帰る気にはならない。上野に移動する。もっと期待できない街だが、家に帰って本当に一人になってしまうより、物理的に近くの空間に人がいたほうがマシだと思った。こんなふうに感じるようになってしまった自分をふと、とても惨めに思った。
こんなに人がいるのに、俺は絶望的に一人だ。
何の目的もなく、いや、正確には何かが起こってくれるのではないかという、あの絶望的な期待を胸に秘めながら、ただ歩いた。
立ち寄ったスタバで太宰の人間失格を読む。不思議と、まったく心が動かなかった。きっと、俺は太宰よりもずっと中途半端で、まだ人生に何かを期待してしまっているのだろう。
渋谷に対する期待も薄れてしまった。そもそも期待しても裏切られるだけなのに。しかし、まだ家に帰る気にはならない。上野に移動する。もっと期待できない街だが、家に帰って本当に一人になってしまうより、物理的に近くの空間に人がいたほうがマシだと思った。こんなふうに感じるようになってしまった自分をふと、とても惨めに思った。
こんなに人がいるのに、俺は絶望的に一人だ。