大学では、体育会に入った。
大学には、サークルというものがあると聞いていたが、サークルは、みんなでわいわいと楽しむらしい。
僕には、そこでは、楽しめる自信がなかった。
テニスしたり、スキーしたり、キャンプしたりするようだが、
そもそも、それらのことには、全く興味がなかった。
どうせ、何ヶ月かしたら、嫌われ者になって、一人ぼっちになることは分かりきっていた。
だから、競技に打ち込める体育会に入った。
それが、転機だったようだ。
なぜか知らないが、突然、生まれて初めて、モテだした。
それまで、女の子の手も握ったことがない僕が、女の子にキャーキャー言われるようになった。
自分に全く自信がなかった僕は、何かの間違いだとわかってはいたが、
女の子にキャーキャー言われていると、周りからうらやましがられた。
あるとてもかわいい女の子がいた。
どんな女の子か良く知らなかったが、みんながかわいいといっているし、
僕もかわいいと思ったので、告白してみた。
大学に入ってまだ1週間。
僕が、童貞で、嫌われ者だってことは、誰もしらないだろうから、失うものはないし、
友人同士のノリで、告白してみた。
そうしたら、OKって返事が来た。
一生彼女なんて出来ないだろうって思ってたら、突然彼女ができた。
さあ、大変だ。
デートなんかしたこともない。
一生彼女が出来ないと思ってたから、準備もしたことがなかった。
女の子とまともに話をしたこともない。
とりあえず、毎週水曜日に会おうってことにした。
それから、毎週水曜日が楽しみで楽しみで、しょうがなかった。
でも、いつも、水曜日の待ち合わせ時間の直前になると、
逃げ出したくなった。
そのときは、なぜか、分からなかった。
一週間、ずっと楽しみだったのに、いつも、待ち合わせ直前になると、気分が悪くなる。
今は、わかる。その女の子に、バレるのが怖かった。
自分が、実は、どうしようもない男で、どうせ、誰にも好かれることなんてないって、
思っていることが、バレるのが怖かった。
毎週水曜日、会話は全く弾まなかった。
女の子は、それでも来てくれた。
そのうち、家まで送って、バイバイというだけになった。
それでも、女の子は、来てくれた。
そして、結局、僕が、逃げ出した。
待ち合わせの時間に、僕が、行かなくなった。
別れは、伝えなかった。
その女の子が好きだったからだ。
でも、僕には、どうしていいのか分からなかった。
マニュアルが欲しかった。
こうすれば、女の子と、楽しく過ごせるんだっていう、マニュアルが欲しかった。
きっと、あるに違いない。みんな、そのマニュアルを読んでいるに違いない。
そんな最悪な僕でも、なぜか、そのときだけは、モテた。
コンパをよくした。
ナンパもよくした。
コンパも、ナンパも楽だった。
友達が盛り上げてくれる。
僕は、カッコだけつけていればいい。
どんどん、自分が自分でなくなっていた。
コンパ