Do not be shy.
ピカデリーサービスを歩いていたら、
同い年くらいの女の子が、バラを売っていた。
一厘のバラを、恋人に、ということだった。
No Thank Youといったら、
こう返された。
活気のある大都会。
テレビで見たことのあるタクシー。
シルクハットと雨傘の紳士は見当たらなかったが、
上品な紳士がたくさんいた。
タップダンスをしている小さな女の子がいた。
そこに、裏返った帽子が置いてあり、
コインとお札が入っていた。
こんな小さな子が、自分の力で生きているのか、
と思った。
そのとき、生まれて初めてタップダンスを見たが、
今思えば、すごいレベルの高いタップダンスだった。
きっと、プロを目指す一方で、街中でも、
練習していただけだと思う。
いずれにしても、それまでお目にかかったことのない光景だった。
ロンドンには、一泊。
翌日には、ユーストン駅からインターシティに乗って、
リバプールに向かう。
ロンドンについた僕は、前にすすむことしか考えていなかった。
前にすすむことしか考えていない僕の気持ちを、
ロンドンの活気が包み込んでいた。
ハロッズの前にひかえたじゅうたんも、
当時あったそごうの入り口に掲げられた「両替」の文字も、
車道をすごいスピードで走っていく自転車も、
すべて、僕の挑戦を歓迎してくれているように感じた。
実は、挑戦でも何でもない。
親にお金を払ってもらって、1ヶ月間の期限付きで、
リバプールのよういされた環境に行くだけである。
それでも、今まで何一つ自分でしたことがなかった僕にとって、
見たことも行ったこともない世界にいくことが、
挑戦であり、その挑戦を、イギリスを言う国が歓迎してくれていた。
