※引き続き女体化関連のため御注意














「何を言ってるんですか」


「チャンミナ……,あのな」


「とうとう気でも狂ったんですか?」


「……まじだから」


 ユチョニヒョンが真面目に話す内容にしては荒唐無稽だ。


 オチもなさそうだし。


「だってあのジュンスが女体化って」


 どう考えてもおかしい。


 みんなゲームし過ぎか変なものの見過ぎでしょ。




 ジェジュンとジュンスの体が女になってしまった。


 ユチョニヒョンはそう言った。


 耳を疑う前に,ふざけてるんだろうなと思った。


 そのまま話に乗っかってみたらどんどん事態の深刻さが伝わってきて,すぐに勘違いに気付いたところだ。


「いや,まじだから。ていうか何で今ジェジュンヒョン除外したの」


「そういうタイプじゃないけど,まあ,キャラ的によくあるパターンな気がして」


「ああ……,うん……」


 ヒョン,分かってますよ。大丈夫。


 今,おれは心の整理をしてます。


「……ユノヒョンはどうしてるんですか」


「とりあえず隔離されとくしかないと判断したっぽい。ジェジュンヒョンの見張りしてる。見張りっていうかもう,完全お籠り状態。ホテルに戻ってみ? 俺もうあの部屋がピンク色にしか見えない……」


 軽く引いたおれの顔色を見て,ユチョニヒョンが肩を抱いてくる。


 慰めてあげたいのはおれの方ですよ?


 おれは乙なんて気にしてないんだからな。本っ当に。


「はぁ……。っていうか2人ともどこまで女になったんですか? 体が? 中身も? それともただの女装?」


 理解する気はあるんですよ。


 考えたくないだけで。


「体だけ完全に女。中身に変化なし。女装どころじゃなくて,もうどう見ても完全に……」


 身体だけ女性化したと。


 ジェジュンヒョンはちょっと想像できた。


 若干の脳内デフォルメでいける。


 特殊だ,あの人。


 ジュンスヒョンは。


「……笑っちゃわないの?」


「笑えない」


 おれは笑える。


 想像力が枯渇しているのか,ほっぺたが赤くなったジュンスヒョンしか浮かばない。


 ハイジだ。ハイジ。


 大草原を。


 走ってる。


 ヒー。


「ほんっとにかわいいんだってば」


 本気か。


 引き笑いから一転して考え込むおれの横で,ユチョニヒョンが心配そうに話す。


 とにかく,独りにしておきたくないし,誰の目にも触れさせたくない。


 早くジュンスのところに行かなくては,と。


「俺がいかなきゃ……」


 ヒョン。


 それって,なんていうか……。


「俺はジュンスのところに行く。ヒョンたちは逃避行状態だから,お前はお前でしっかり」


 え。もう,行っちゃうのか。


「知らないうちに女になったりするなよ。チャンミニはチャンミニでいてくれ」


 とっさにその腕を掴んだ。


「お? ちょっと,何ですかそれ。おれも? 原因とか分からないんですか」


「これから探すよ」


 ふと,ケータイの画面を見せられる。


「あっ,かわいい。この子」


 女子高生?


 バストアップで撮られた写真に思わず食いついたけど,すごくかわいい。


 色白。スレンダー。胸はそんなでもない。


 でも,肩まで伸びた髪がふわふわしてて,天使みたいだ。


「……ジュンスだよ」


 は?


 ジュンス?


 どこがだ!?


「よく見て」


 ……確かにこの顔ジュンスヒョンだ。


 この画像がうそだとしてもコラージュじゃない。もはやCGだ。


 うわー!


「どうしてこうなった!?」


「ちゃんみなぁ……,俺の台詞だよ……」


 おれの肩に頭を預けて,ヒョンが嘆く。


 そんなかわいそうな声出さないで。


 よしよし。


 とにかく,この目で見ないことにはなんとも言えないけど。


「協力はしますよ。でも,何の手がかりもないし……」


 きっと今はヒョンにもないんだろう。


 そんなこと,分かってるんだけど。


「ちなみに,巨乳かどうかは?」


 とっさに出たのがこの台詞か。


 おれは,偉い。


 やっとユチョニヒョンが笑ってくれた。


「お前はかわいいな。本当にかわいい奴だ」


 ほんとに言いたいのは,そんなことじゃなかったんだけど。


 くりんとしたまつげが瞬く。


 ユチョニヒョンがこっそり耳元に囁いた低い声に,いろんな意味で全身痺れた。


「ジェジュンはEカップの美乳」














 結局,僕はまだ件の2人に会っていない。


 ユノヒョンには会ったけど,「ごめん話は後でゆっくりな」と言われてしまった。


 ピンク色の部屋を指差しながらの,悪いな,って表情のジェスチャー。


 なんだそれ。


 コレが,コレなもんで的な?


 おい。おれだけ置いてけぼりですけど。


 心配するなってことは,特に問題なく,うまくやってるということか。


 途端に気になってくるユチョニヒョン情報。


 大きすぎず小さすぎず,美しい乳。


 要するに,ユノヒョンも独り占めだ。


 そうですかー。




 人は恋愛でこうも骨抜きになるのか。


 ユンジェがこれじゃ,ユスはどうなってるんだ。


 今頃ハメを外している様が容易に想像できる。


 奴ら絶対避妊とかしない。


 ユチョニヒョンが本気を出せば,ジュンスヒョンをそそのかして孕ませるなんて余裕だ。




 あー,恋がしたい。


 身も心も老けたな。


 幼い頃は無邪気に恋に夢中になったりできたのに。


 いや,今もまだ幼いけど。


 バカじゃないって,こういうとき辛い。


 いや,頑丈な理性が悲しい。


 傷付いてもいいから,我を忘れるくらいバカになって,恋してみたい。


 きっと,若いうちに死ぬほどやっとかなきゃだめなことだ。


 後悔しても。




 ああ。おれたちのチームはどうなるんだ。


 このまま2人が元に戻らないで,その上妊娠なんてことになったら……。


 いっそのことおれも爆乳の美女になってソロデビューでもするか。


 でかい乳と足の長さが売りの清純派知的アイドル?


 萌えると思う。需要はある。


 でもそれ,おれなんだよな。


 はあ……。


 頼む,ヒョンたち,しっかりしてくれ。


 願わくばすべて,夢であって……。