寒いのが好きなくせに,今日は何故か,エアコンの設定温度をそんなに低くしてない。

 風呂上がりで暑かった僕は,ユチョンに喉が渇いたからなんか飲みたいとか言って甘えて,あれこれ頼んだ。

 一緒に寝るつもりなら,まあなんでもしてくれるだろう。

「これお酒じゃないよね?」

「水だってば」

 ついでにユチョンが持ってきてくれた氷水を,体を起こしてがぶがぶ飲む。

 どっきりで焼酎とかだったらどうしようと思ったんだけど違うらしい。

「なにー,一服盛られると思ったの?」

「んー」

 つめたくておいしい。

「たまにはアイスでも食べてみたら」

 噛まないで舐めてって渡されたアイスもつめたくてうまい。

 ゆっくりゆっくりアイスを舐める。

 あー,ちょっと復活してきた気がする。

「じゅんすぅ,ほらこっち向いて」

 オレンジ味の棒アイスを銜えていると,僕の上に跨がったユチョンが,かいがいしく髪の毛をタオルで拭いてくれた。

 正面でにやけていたユチョンは,急に携帯電話を取り出して僕を撮影した。

「アイス舐めるじゅんすぅ」

「ハダカなんだけど」

「俺しか見ないし撮ったの上半身だけだし。いいじゃんかっこいいから」

「えっちのときは撮るなよ」

「それ,撮って~って前フリなの」

「いや,本気で言ってるからな」

「ジュンスマニアの俺にコレクション増やすなっていうのは酷でしょうが。マニア廃業もんだよ」

「まさか前にも撮ったことあんの?」

「撮ったじゃん。初めてなか入れたときも」

「も!? っていうかそんなの知らないよ!」

「ハメ撮りとかじゃなくて,ちゃんと2人で並んで写ってるやつだよ」

 多分恥ずかしくてわけわかんないうちに撮られてるなこれは。

「いれたまんまでだけど」

「……それをハメ撮りって言うんじゃないの!?」

「でもイった後だったじゃん2回くらい。終わった後だよ」

 返す言葉がない。僕が意識朦朧としてるときか半分寝てるときに,ポーズとりながらにやけた変顔で撮ってるだろ。なんか想像できるぞ。

 ユチョンがわざとらしく悲しい顔をする。

「大事な記念写真だろー」

「知らないし。それ消せよ」

「えー」

「消せ! っていうかこれから一切禁止だ!」

「なんでー。かっこいい俺のジュンスを俺だけのために残して,ジュンスがそばにいないときの慰めにするんだよお」

 食べ終えたアイスの棒を口から取り上げられる。今度はそれをユチョンが銜えた。

「ほら。うまく撮れたー。上目遣いだし。ジュンスえろ画像フォルダに保存っと」

「そんなフォルダ作るなー!」

 一応ちらっと見せてくれたのは確かに僕がアイスをくわえてるだけの画像だったけど,それをエロ画像と認識しているあたりが病的だな。

「消そうと思っても無駄だから」

 ユチョンはそのままベッドの上に携帯を放置する。

「いろいろ対策してあるからね」

「携帯折るぞ」

「修理したときにデータ抜かれたらどうするの」

「携帯捨てる」

「誰かに拾われたらどうなるかわからないよ」

「んじゃ僕がどこかに隠す」

「携帯なかったらジュンスに電話できないじゃん。それにジュンスなくしそう」

「ほかにも携帯持ってるだろ」

「別の携帯でもジュンスを撮って保存する」

「ユチョンのばか」

「ちゅーしていい?」

 アイスの棒をちゅっと吸ってごみ箱に放り投げたユチョンは,いいなんて一言も言ってないのに僕の上唇を舐めてちゅーした。