俺は何度かヒョンたちの秘密を覗き見たことがある。
メンバーなのに,男なのに,変だとも恥ずかしいとも思わなかった。ただ,少しうらやましかった。
ヒョンたちは見つめ合うとなかなか視線を反らさなかった。
みんなの前でも目だけで会話していることがよくあったし,触れ合っていても無言の時間が長かった。
人前でもそれだから,ふたりきりだと本当に濃密で,入り込めない空気を何度も何度も感じては,見ない振りをした。
そんなことしかできなかったとジェジュンヒョンが言ったことがある。
愛するなんていうには大げさで,まだ幼かったのかもしれないけれど,自分なりにせいいっぱい人を愛した。最後まで,ほかには何もできなかったと言った。
でも,後悔してる感じじゃなかった。
あの頃の僕らができたことは,すべて決められたことだったから,誰かを想うことだけが許された自由で,それだけで僕らのすべてだった。
ジェジュンヒョンはあの頃,心をすべてユノヒョンに預けて,自分を身軽にしていたように思う。
喜びも不安も悲しみも恐怖も,何もかもユノヒョンに委ねて空っぽにしていたように俺には見えた。
果てがないようにも見える,怖いくらいの空っぽ。
入ってきたものすべて,海の底に沈めて見えなくしてしまうような,そんな不思議な場所で,ユノヒョンだけが平然として,迷わなかった。
ジェジュンヒョンの重みを受け止めても余裕な素振りを見せていたユノヒョンは,信じられないタフさで空っぽのジェジュンヒョンに熱を注ぎ続けた。
だからジェジュンヒョンは,幸せなものだけで満たされて,楽しそうに笑っていられたんじゃないか。
あんな関係を俺はほかに見たことがない。
記憶の中で,ヒョンたちはいつも見つめ合っている。
あの人たちは,お互いが特別だと認め合っていて,それがあまりに当然で,そのことを恥ずかしがったりしなかった。
ほんの少しでも想いが足りなくなった訳じゃない。愛せなくなった訳じゃないから。
何もかも,自分の力だけではどうにもならなくなっただけだ。