僕はドーナッツが好きだ。
正確に言うとドーナッツの形状が好きだ。
ぽっかり空いた穴に引き込まれそうになる。
子どもの頃はその穴を覗いて、ドーナッツ越しの景色を甘い匂いとと共に味わっていた。
そう、小さな穴には不思議な魅力がある。
ドーナッツの穴と似たような魅力を持っているのが、小窓だ。家の玄関やトイレ、体育館の足元などにある、あの小窓。一見、これ意味あるのか?と言いたくなるような、ちょっとした窓。
本来は、採光や換気といった機能を持っているのだろう。ただ僕は、小窓には想像力を掻き立てるパワーがあると思っている。
小窓は面白い。
家の外に面した小窓なら、外の景色がまるで一枚の絵画のように見える。外に庭木があるなら一年を通して季節の移ろいを楽しめる。
四季の変化を、生きた作品として鑑賞できるんだから贅沢なものだ。大きな窓だとそうはいかない。
様々な想像力を掻き立ててくれる穴や小窓。
それは、動物の本能のようなものを引き起こす力もあるようだ。
ちょっと覗いてみたいといった男のスケベ心も、こういった空間から生まれているのかも....。
