安部譲二が文筆家として世に出た作品。
彼の名は、僕が中学に入ったころ、伝説的なOBとしてよく名前が出てきてたから何とはなく、知っていた。
ヤクザ、ゴロツキがこの学校出てるんだから、なるほど、ろくな学校じゃないなと思った記憶がある。


彼の文章は読んだことがなかった。デイリースポーツで編集長的なコラムに登場したりしているけれど、まあヤクザあがりの変な人というイメージしかなかった。
けれど、確かに文章を読むとイメージが変わる。
面白い。
そして、意外とまじめで好奇心旺盛で観察眼がするどい、文章屋としてもっと早く世に出ていればと思うくらい。


彼が府中刑務所に暮らしたときに、周囲にいた変な人たちを題材に刑務所生活の悲哀を喜劇的に語る。
いろんな人たちがいて楽しそうにさえ思えるけれど、話の中に出てくるいろいろなことを読めば、一度でも世話にはなりたくない場所ではある。