映画「フェアウェル」
オークワフィナが出ているだけでその映画がちょっと好きになる。
日本の女優で言えばそれが伊藤沙莉で伊藤さん目当てに色々な映画やドラマを観ているしSNSをフォローしている。
タキザワと伊藤彩莉の話になった時に、タキザワが伊藤さんの事を「日本のオークワフィナ」と言っていてなるほどなと思った。
僕はどちらの女優もとても好きだ。
本作はオークワフィナが主演を務める映画で、脇役ではない彼女を観るのはこれが初めてだった。
アメリカに移住した中国人女性の役で、中国に住む彼女の祖母が癌になったという話で、中国の習慣で癌になった老人本人に癌告知をしないという事がテーマだ。
アメリカ文化で育ったオークワフィナは本人に告知をしないのは人権を無視しているので告知した方が良いという立場で、周りの人間は告知されることで気落ちし早くなくなってしまうという中国の考え方を押し通そうとする。
日本に移住した従弟の結婚式を中国で行う事を口実に家族全員が中国に帰るのだ。
本人への告知の問題に関して、僕が癌になればきちんと告知して欲しいという立場だ。
しっかりと死に向き合い余命を悔いなく過ごしたいというのが僕の考えだ。
僕の伯母は十数年前に癌で余命半年だと言われた。
僕は病院に見舞いに行き、マッサージしてあげ、悔いのない接し方をしようと心掛けた。
今ではその伯母と交流がなくなってしまったが、癌宣告から十何年も生き続け、今も元気だと思う。
オークワフィナは中国にルーツを持ち、スマホを使い祖母と中国語でやり取りする孫を演じていた。
とても大げさな所のない映画だったが、中国とアメリカと日本の文化が混ざり合いコミカルで面白い物語だった。
オークワフィナはその中でいつものコメディエンヌというより、静かに悩む一人の女性を演じていてこの演技も良かった。
決して派手ではない静かな映画だったが、優しい気持ちになれる良い映画だった。