映画「日本人の忘れもの-フィリピンと中国の残留邦人-」
観ないつもりでも、観ることになってしまう映画がある。
それは観るべき映画だし、大げさに言ってしまえば運命の映画だ。
僕はこの映画はあまり観たいと思っていなかった。
真夜中の映画サークルで懇意にしている光武監督の知り合いが撮った映画で、光武監督の推薦でブルーバードにかけることになったそうだ。
当初は付き合いで観なきゃなと思うくらいだった。
しかし、先週日曜日から毎日映画館で映画を観ていたので木曜日からちょっと休もうということになっていた。
真夜中の映画サークルのグループLINEでは映画に行けるといっていたが、ブルーバードのマネージャーミキさんに行くと伝えていなかったので予定をキャンセルしようと思っていた。
映画の公開前日にミキさんから監督の舞台挨拶の後の懇親会に来て欲しいと言われて断れなくなった。
あまり積極的ではないが映画を観た。
ドキュメンタリーだが、しっかりとした構成で、堅苦しい話がドラマチックに描かれていた。
フィリピンに日本人の夫とフィリピン人妻の子供が沢山在留し、しかも国籍がないなんて事実を全く知らなかった。
日本政府の方針として中国の在留邦人は助けるが、フィリピンの在留邦人を積極的に助けない方針をとっているという事だ。
日本人の父の元に生まれたのだから日本人として認めて欲しいと高齢の在留邦人たちは願っていて、それを一生懸命助けようとする人たちがいる。
この映画はその助けとなるべく一手として作られたドキュメンタリーだった。
在留邦人が日本国籍をとることが出来たら孫たちが日本で働けるようになるのだ。
僕はこの映画を観て全くしらなかった問題を知ることが出来た。
飲み会の席で監督に直接僕が感じた映画の良さや映画の意味を酔った勢いで熱く語った。
僕はこの映画を観て良かった。観るべき映画だと思った。
映画サークルの先輩は面白くなかったとかピンとこなかったとか退屈したとか言っていた。
それでも確実に僕に刺さった。
在留邦人について知る事が僕の出来る事の第一歩だ。
その次に出来る事と言えば、この映画を人に勧めることぐらいである。
堅苦しいテーマだが小原監督の手腕により映画として見応えがあるので、ぜひ見て欲しいと思う。