お刺身処おくむら
大分は海の幸が豊富な県だと思う。
豊後水道と呼ばれる海から獲れる水産物に恵まれ、関あじ・関さばのようなブランド魚もあるし、別府の隣の日出町では城下かれいなんていうのも有名だ。
僕は子供の頃から魚が好きで、焼き魚・煮魚なんかも猫またぎと呼ばれる食べ方をする。それは、猫が僕の魚の食べ残しを見てもまたいでしまうほど、食べ残すとこがなく綺麗に食べあげてしまうのだ。
それは母型の祖父と同じ食べ方で、魚好きは受け継いだものだ。
刺身や寿司も好きで、大分の名物である「りゅうきゅう」と呼ばれる魚の醤油漬けが特に昔からの好物だ。
しかし、僕の食生活に魚が出ることが少なく、刺身なんかも外食でしかほとんど食べなかった。
たまに刺身を買うとしても、スーパーの魚屋さんのパックで適当に購入するくらいだ。
それはそれで美味しいのだが、地の利を活かしていないな、せっかく大分に住んでいるのになと日頃から思っていた。
そんな中、今年のゴールデンウィークに真夜中の映画サークルの先輩のSNSで間違いのない刺身屋として「お刺身処おくむら」さんを紹介していた。
先輩は一つ年下で、別府のホテルグループの若社長なので色々な事を知っている。
参考にしようと調べてみると歩いてすぐのご近所だった。
さっそく二人前の刺身を翌日に頼んだ。
そのお店は店頭に魚が並ぶ普通の魚屋とは違い、全て注文で予約をとる店だった。予約は前日までに必要とのことだ。
1人前1000円のおまかせで、今の期間は消費税もいらないと言われた。
注文した品を取りに行くと、店内の入り口は受付のカウンターで、魚は一匹も見当たらず、奥に作業台と大きな冷蔵庫があった。
予約の時間に合わせて捌いてくれるという事だ。
そのまま食卓に出すことのできる容器に盛り付けられ、その日の魚はカボスぶり、カボスひらめ、あぶり鯛、車えび、いかと豪勢だった。
この値段では、こんな種類の刺身はスーパーでも飲食店でも食べられないと思った。
食べるとどれも美味しく、新鮮な刺身の美味さがあった。
それからハマり、何週間も金曜日を刺身の日として1人前や1.5人前を注文して酒と一緒に食べた。
注文するとその日におススメの色々な魚を食べさせてくれて、飽きないのも嬉しい。
近所に刺身処を見つけたのは喜ばしいことだった。
インターネットで注文を取って、河豚なんかも発送しているそうなので、注文してみたいと思っている。
最近、金曜日が忙しくて中々注文できていないが、来週あたり曜日を変えてでもオーダーしたいと計画している。