andymori
僕はひとつのミュージシャンの音楽が好きになるとそれにハマって、その音楽ばっかり聴いてしまうことがある。
中学時代の「ジッタリンジン」や高校時代の「ブランキー・ジェット・シティ」。大学時代の「サニー・デイ・サービス」や「小沢健二」。社会人になってからの「モンゴル800」や「サンボマスター」や「クリープハイプ」なんかがそうだ。
音楽に詳しくないが、一つのものに夢中になり、その時にその音楽が自分に必要だと思うのだ。
もちろん「アルバム」や「曲」だけにハマるという事もあり、安藤裕子の「大人のまじめなカバーシリーズ」は僕ら夫婦のお出かけの時のテーマになっていて、遠出をする時は必ずそのアルバムから出発している。
しかし、熱が冷め、もう聞かなくなったなんてものも沢山ある。
そんな中でずっと熱が冷めず僕がハマっているのが「andymori」だ。
西荻窪で結成された3人組のバンドであり、途中メンバーが変わったが、ボーカル&ギターの小山田壮平がその中心だ。
僕が彼らを知ったきっかけは、京都のゲストハウスで知り合った益子出身の芸術家「いさな」のミクシーだったと思う。
いさながハマっていてもう一人の小山田君として紹介していた。
「andymori」の音楽に最初に触れた感想を覚えていないが、衝撃を受けた記憶はある。
他とは違う歌詞と音楽に一発でハマったのだ。
僕は体調を崩して大分に戻った時期に彼らと出会った。
アルバムが出るたびに、音楽の感じが変わっていき、その変化がどれも好きだった。
小山田君は脱法ハーブで問題になるような事があり、精神が不安な人なのかと想像した。
解散するという知らせを聞き、ラストツアーのチケットを取った。
そうすると小山田君は今度は4.5メートルの高さから川に落ち大けがをして、ラストツアーが出来なくなった。
せっかく取ったチケットが払い戻しになり残念だった。
僕はその後入院し、退院後の心理カウンセリングで、小山田君の怪我が治ったらライブに行きたいんですと心理士の先生に言ったら。もう怪我から復活のライブは終わったんですよと告げられた。
「andymori」は解散までライブを見ることがなかった。
それでも僕は小山田君の弾き語りツアーに二回参加した。
いずれも福岡の会場に一人で参加した。
一度目は狭いライブハウスでぎゅうぎゅうで弾き語りを聴いた。
環境は悪かったがそれでもとても感動した。
二度目はこの間閉館となったイムズで、一番前列で小山田君のマイクの真ん前だった。
それは今まで参加したライブの中でも最上の経験であり、特別な夜だった。
小山田君の挙動の全てを見逃さず、その音楽に聴き入った。
その後バンドライブも観たかったが、ツアーを申し込まなかった。
申し込んでいたとしてもコロナで中止になっていたと思う。
「andymori」はすなわちほぼ小山田君の音楽だ。
彼の音楽は、世界への広がりと、内面に留まる閉塞感、激しさと優しさが同居して僕の胸を打つ。
何よりも音楽が好きでしょうがないことが伝わるのが好きだ。
今年大学生になった先輩の子供たちが「andymori」が好きで、彼らの音楽を演奏する。
小山田君より若い感性で、あの音楽に触れられるのがとても羨ましい。
彼らは「ライ麦畑でつかまえて」が好きでホールデンズというバンドをやっている。
僕は自分がとても幼稚な人間だと思うところがあるが、そのおかげで若い音楽を今でもとても親密に好むことが出来るので、それはそれでよいと思う。
いつまで「andymori」を親密に聞き続けられるのだろうか。
