映画「Red」 | MOONLIGHT EXPRESS ムーンライトエクスプレス

映画「Red」




僕の周りに不倫をしているカップルが数組ある。

みんなの公認で堂々と付き合っているが、褒められたものではないと思う。

しかし、僕は責められる立場にいない。過去の記事でも分かるように僕も結婚前に不倫をしていたからだ。

それは病気で定職にもつかずにフラフラしていた時期で、当時の僕は結婚も普通の恋愛も諦めていた。

将来を約束しない人妻と付き合うのがちょうど良かったのだ。

同時に二人の人妻と不倫をし、一人には他の女性とも不倫関係にあることがバレて酷い言葉で罵られて別れた。もう一人はそんな僕にあきれて、僕を振ったのだ。

かなり重度な鬱状態になり、何とか一念発起し就職活動し、前職に就いた事で僕はジディと出会うことが出来た。

結婚してからの6年僕は一度も浮気をしていないし、風俗にもいっていない。

人の結婚は邪魔したのに、自分の結婚では後ろめたいことをせずにきちんと守ろうと必死なのだ。

僕は妻を全面的に信頼しているが、因果応報でいつかひどい目に合うのではないかと心の底でビビっている。

この映画の主人公は一見幸せな結婚をしながら、忘れられないかつての不倫相手と偶然出会いよりを戻す話だ。

主人公を演じる夏帆は最近、不倫をする独身女性の役が多い。かつて「天然こっけっこー」で輝いた美少女がやさぐれた役が似合う味のある女優になった。夫と子供がいながら不倫に走る最低な女性を演じ、濡れ場も沢山見せたが、頑なに乳首を見せないところがかつての純粋なキャラの最後の砦を守ろうとしているかのようだった。

旦那を演じる間宮祥太朗はエリート商社マンで何不自由ない生活を家族にさせているが、夫婦のベッドで自分だけ妻に口でさせて満足して寝たり、高級すき焼き店でも自分だけ肉を食べ妻には豆腐や春菊を食べさせるような最低な男だった。

かつての恋人役の妻夫木聡は10年振りに再会した元恋人にいきなりキスをしたり、自分の会社に就職させては肉体関係を迫るようなどうしようもない男だった。
映画を一緒に観る前に先輩が、妻夫木が出る映画は面白くないんだよと言っていた。
そうかなと思ったがこの映画に関しては当たっていた。

この二人の間に立ち、主人公を口説く男が柄本佑でいいアクセントになっていた。

女性監督で女性の脚本家だということからか、終始少女漫画のような話で、登場人物の誰にも共感出来ないのが残念だった。

ただ、映画の後のトークショーで割と酷評がされていたが、そこまで酷いとも思わなかった。

かつて不倫をしていた自分とこの主人公は何が違うのだろうと考えると、自分の家族を僕は裏切っていないという事だと思う。

不倫は良くないけど、それは人が決めたルールの中であって、好きになる気持ちや性欲は抑えられないものだというのが僕の考えだ。

それでも、結婚した僕が今浮気をしないのは、僕は妻とのルールをきちんと守りたいという事だ。

妻を失う事は考えられないので、他の女性と浮気なんて絶対しない。

かつて「不倫は文化だ」と言って叩かれた俳優がいたが、当事者が言うから問題なのであって、文化として映画やドラマや小説で不倫を楽しむ分には問題ない。

改めて不倫について色々考えさせられたというだけでこの映画を観た意味があった。

文化としてもそれほど面白い不倫ではなかったけれど。