映画「さよならテレビ」
タイトルから全く惹かれない映画だった。
そもそも僕の生活でも昔に比べてテレビと距離をとった生活をしているし、今更な話だと思った。
それでも映画館に足を運んだのは、僕の好きなドキュメンタリー映画「人生フルーツ」を作った東海テレビの制作ということと、別府ブルーバードが自粛から復活した第一弾の上映作の一つだからだ。
東海テレビ内部を映すドキュメンタリーだが、三人の主人公はテレビキャスターと2人の契約社員で、しかも契約社員の一人は新人だった。
局内の現場の偉い人たちからはカメラで写すなと言われたり、デスクで設置したマイクを外すように指示され、無難に撮影できる三人が選ばれたのだろうと思った。
こんな人選ではテレビ内部の深い話はとても知る事が出来ない。
テレビキャスターは東日本大震災にまつわる放送事故を経験して消極的になっており番組に出来るだけ移りたくないと思っている。
契約社員の一人はジャーナーリズムに燃えるがしたいことが出来ずスポンサーの接待ニュースを主に制作している50過ぎのおじさんだ。
新入社員はアイドルとチェキを撮るのが趣味のオタクで、コミュニケーション能力に乏しい青年。
いずれも行き詰っていて、誰にも共感できず、こんな人材しかいないテレビ業界って終わってるなという感じである。
かつてテレビと言えば華やかな世界であり、新卒の時何社も入社試験も受けた。
僕みたいな4流大学の学生がとても入れるような業界ではなかった。
そのテレビ業界も人気が急落し残念な状況であることは周知のとおりである。
その内部のドキュメンタリーはやはり何を今さらという内容だった。
映画として惹かれるものが少なくとても残念だった。
テレビ業界の人が「さよならテレビ」なんて映画を撮るのは洒落にならないぐらいつまらなかった。