たまむすび
僕がTBSラジオの「たまむすび」という番組を聴き始めたのは数年前のことで、ネット記事に何度か取り上げられたことで気になったからだ。
関東ローカルだし平日の13:00~15:30という時間なので大分に住む僕の勤務時間なので普通には聞くことが出来なかったのだが、ラジオクラウドというアプリでTBSラジオがアップしたコーナーなら放送後1週間聴くことが出来た。
会社の生き帰りの車の中で流し今では欠かすことのできない僕の習慣になっている。
メインキャスターの赤江珠緒さんは朝のニュース番組をしていた時から何だか気になっていた人だが、綺麗だけど何だか垢抜けない人だなと思っていた。
赤江さんは月~木曜日の担当で、日替わりに、月曜:カンニング竹山、火曜:南海キャンディーズ山里、水曜:博多大吉、木曜:ピエール瀧がパートナーを務めた。
金曜日はメインキャスターがTBSアナウンサー外山恵理、パートナーが玉袋筋太郎のコンビだ。
「たまむすび」の魅力は聴いている時に嫌なことを忘れ、ただ単純に楽しい気分にさせてくれる事だ。
そういう意味では僕が今ハマっている寅さんの映画に近いような安心感がある。
それぞれの曜日のパートナーの良さもさることながら、赤江さんの魅力が大きいと思う。
ニュースキャスターをしていた時と異なって、言い間違えや勘違い発言の多い赤江さんは番組の中でミスを作り出す「工場長」と呼ばれ、みんなにからかわれながら愛されている様子が伺え微笑ましい。
そんな楽しい「たまむすび」だが、昨年悲しいニュースがあった。
木曜パートナーのピエール瀧のコカイン使用による逮捕だ。
当然瀧さんは番組に出ることはなくなり、番組の中で赤江さんは涙声を震わせ、瀧さんに怒り、許した。
瀧さんの後任はラグフェアーの土屋レオが勤めることとなった。
瀧さんは僕の最も好きなパートナーだったしガッカリした。それでも判決が出た後は瀧さんの話題が番組内で出ることも多くなり、ほとぼりは冷めたと思っていた。
これ以上の悪いニュースはないだろうと思っていたら、赤江さんがコロナに罹患してしまった。
テレビ局に勤めている夫が先に陽性となり、家庭内で感染したようだ。
赤江さんは2年前に子供を出産しており「ピン太郎」の名で親しまれている娘さんがいる。
娘さんは陰性だった。
夫のコロナ陽性が分かった時、赤江さんは自宅から番組あてに数枚の手紙を書いていた。
隔離生活が決まった夫の話からいきなりの入院に必要なものなどの具体的なアドバイスと共に、陽性の人を犯人捜しするような事態ではないのではないか、はたしてコロナが治った時に社会復帰はきちんとできるのか心配であるとか、夫婦共に陽性になってしまったら子供は誰が面倒を見るのかなどの意見を述べていた。
いつもは陽気な番組内のキャラクターであるが、キャスターの本領を発揮するような的確な文章にハッとさせられた。
赤江さんにもしものことがあれば、僕は立ち直れないぐらいに落ち込むだろうと思う。
それは僕の中では志村けんの死などはるかに超えるような悲しみだと想像するだけで恐ろしい。
赤江さんには早く元気な声で「たまむすび」に戻ってきて欲しい。