冷めたのではなく醒めたのだ | MOONLIGHT EXPRESS ムーンライトエクスプレス

冷めたのではなく醒めたのだ

年上のガールフレンドとの恋愛が終わってしまった。

寂しいけど仕方がない。

彼女が言うには仲良くなった当初は僕さえいれば何にも心配いらないと言うような妄想の中で僕を拠り所にしていたが、到底そうではないと気付いたらしく、これ以上僕を求めなくなったのだ。

冷めたのではなく醒めたのだ。

僕は彼女の事が本当に好きで、今でも好きなのだから終らせるとしたら彼女からしかないのでしょうがない結果だと思う。

僕の周りは人妻との恋なんてやめた方が良いというのが大半の意見だった。

それは当然だと思う。僕だって友人が不倫をしていたら辞めた方がいいんじゃないかとアドバイスをする。

妄想の中で勝手に僕を物語の王子様のように見ていた彼女は何で他の女の子に気を持ち仲良くするのか理解出来なかったそうだ。

そんな僕にはセックスは似合わないと彼女は言う。

少なくとも僕のキスの延長にセックスがあるようなロマンチックなセックスは彼女の性に合わなかったらしい。

彼女ともう寝る事がないと思うととても残念である。

バレンタインの時から合っておらず、彼女の車に載せられたままになっているチョコレートのように僕は彼女にとって宙ぶらりんな存在になってしまった。

僕の気持ちも新しい道路にまかれたアスファルトのように確実に冷めていくことを願う。