トレイニングデイズ ①肉体編 | MOONLIGHT EXPRESS ムーンライトエクスプレス

トレイニングデイズ ①肉体編

旅が具体的になってきた時に僕がまずしなきゃいけないと思ったことは肉体改造だ。

先週、ライブに一緒に行った女友だちの中で僕のことを最も古くから知っている下関のメグミの「体型がコロコロ変わるから昔のスーツが入らないんじゃないの?」という言葉の通り、僕の外見は体調によってすごく変わるが、基本は残念なおデブちゃんだ。

イトチと一緒に就職活動で気合を入れて、渋谷のBEAMSで買った初めてのスーツなんてもう腰までも入らないだろう。

最初に出会った18年前とほとんど体系の変わらないチャンチャンにスーツを借りることができたのはいつまでだっただろうか?

20代後半に差しかかった頃には、ナリちゃんと二人で熱海の温泉で赤ちゃんみたいな体系からベイビーズと呼ばれたのも懐かしい(当時の僕は、今一緒に学校に通っているリエさんの赤ちゃんのユナちゃんのぷっくり体系のような体だったのだ)。

そんなナリちゃんも僕のコンパで知り合ったマイちゃんと出会ってからすごくスリムになってベイビーズを勝手に脱退してしまい、見事マイちゃんとゴールインし、今や一児のパパである(昨年夏にあった時に、今ナリちゃんに確実に勝てるのは髪の多さだけかもしれないとリアルに感じた)。

学生時代には僕の体を「ガッチリしたいい体をしているよな」と言っていたタキザワが、去年別府に訪ねてきてくれ、ひょうたん温泉に一緒に入った時に僕の体について一言も触れなかった(旅行前に大分に来たいと言っているタキザワに、またおススメの温泉に連れて行く予定だが、その時までにはもうちょっとなんとかしたいと思っている)。

とにかく見た目はかなり若く言われる僕だが、体型は同世代友だちの誰に比べても残念なのである。

僕は旅に出ることになってからとにかく歩くことに決めた。

朝6時前に起き、僕は最低でも6キロは歩いている。一日も欠かさず雨の日もだ。

その成果と言えば、残念ながら体重はそれほど変わらない。

しかし、何だか引き締まってきたといわれる。

見た目や体重より重要なのだが僕は歩くことが嫌いじゃなくなった。

深夜特急の中で主人公はとにかく歩く。

人力車の料金が高いと言っては歩き、バスがなくなったと言っては歩き、とにかく歩けないことにはバックパック旅行は始まらないのである。

学生時代、タキザワに意味も分からず、当てもなく、不慣れな東京の街を夜中から朝まで歩かされ、何の拷問だと恨んだ僕だが、今ならそれをタキザワ以上に楽にこなせる気がする。

カラオケの十八番の一つである、くるりの「ワンダーフォーゲル」の歌詞にあるように、僕が何千マイルも歩くことで、どうしようもない僕のことを認めてくれるのなら、今の僕ならどこまでも歩ける気がする。

これを出発までの残りの1ヵ月続けたら、体重ももう少し落ちてくれると嬉しい。

BGM:くるり「ワンダーフォーゲル」