僕が旅に出る理由
小沢健二が歌ったように、僕らの住むこの世界には旅に出る理由があり、誰もがみんな手を振ってしばし家族や恋人と別れる。
僕が初めてタイに行きたいと思ったのは小学生低学年の頃、父親が会社の社員旅行から浮かれて帰って来た時だ。
当時からちょっと残念だった僕は父ちゃんは“バン国”という国に行ったのだと思った。
なんだかバン国という国で父ちゃんは浮かれており、木の葉で編んだ現地の人しかかぶらないような大きなつばの帽子をかぶり、ヤシの実をくり抜いたジュースを木の実から直接飲み、パラセイリングまでやっている写真を見せられた。
よく分からないけど、いつもすっげー鉄拳で怒る父ちゃんを異常に浮かれさせる、バン国とはなんか楽しそうな国だなと思った。
大学生になり、バン国というのは国名ではなくタイの首都“バンコク”だと理解した後もタイは僕を惹きつけていた。
友だちのチャンチャンと海外旅行に行きたいって話になった時、僕らが行きたいのはタイだった。
その時の石田一成が出てたタイのCMのキャッチコピー
“タイは若いうちに行け”
に二人はやられたのかもしれない。
しかし、チャンチャンの彼女で僕の友人でもあるミユキちゃんの「私、パクチー食べられないからタイは無理、フランスにしよう!」との発言から僕らの旅先はパリに変わった。
今思えば11月のおそらくベストシーズンであるタイではなく、とうていベストシーズンとは言えない極寒のパリ旅行になったのである。
その数年後、チャンチャンが脱サラした時に一人で20数日タイに行き、いかにタイが楽しいところか僕に教えてくれた。
さらに数年後、見事ゴールインしたチャンチャン&ミユキちゃん夫婦は新婚旅行をテロの影響により、当初のバリ島からタイに変更したのである。しかも、その時にはミユキちゃんはパクチーを既に克服しており大変タイを満喫したとの話を聞いた。
僕のタイへのあこがれは募るばかりである。
現在、無職である僕に小銭が入り、どこか旅行に行きたいと思った時に僕が行きたい国は、絶対に問答無用でタイであった。
とうとう僕にタイに行く番が回って来た。
名前を知らない時からあこがれていた国である。
大学生の僕は“タイは若いうちに行け”と聞いた。
35歳の僕はタイに相応しい若さではないのかもしれない。
しかし、これからの人生において確実に年をとっていく僕は今が一番若い。
やはり僕にも旅に出る理由があるのである。
BGM:小沢健二「僕らが旅に出る理由」
僕が初めてタイに行きたいと思ったのは小学生低学年の頃、父親が会社の社員旅行から浮かれて帰って来た時だ。
当時からちょっと残念だった僕は父ちゃんは“バン国”という国に行ったのだと思った。
なんだかバン国という国で父ちゃんは浮かれており、木の葉で編んだ現地の人しかかぶらないような大きなつばの帽子をかぶり、ヤシの実をくり抜いたジュースを木の実から直接飲み、パラセイリングまでやっている写真を見せられた。
よく分からないけど、いつもすっげー鉄拳で怒る父ちゃんを異常に浮かれさせる、バン国とはなんか楽しそうな国だなと思った。
大学生になり、バン国というのは国名ではなくタイの首都“バンコク”だと理解した後もタイは僕を惹きつけていた。
友だちのチャンチャンと海外旅行に行きたいって話になった時、僕らが行きたいのはタイだった。
その時の石田一成が出てたタイのCMのキャッチコピー
“タイは若いうちに行け”
に二人はやられたのかもしれない。
しかし、チャンチャンの彼女で僕の友人でもあるミユキちゃんの「私、パクチー食べられないからタイは無理、フランスにしよう!」との発言から僕らの旅先はパリに変わった。
今思えば11月のおそらくベストシーズンであるタイではなく、とうていベストシーズンとは言えない極寒のパリ旅行になったのである。
その数年後、チャンチャンが脱サラした時に一人で20数日タイに行き、いかにタイが楽しいところか僕に教えてくれた。
さらに数年後、見事ゴールインしたチャンチャン&ミユキちゃん夫婦は新婚旅行をテロの影響により、当初のバリ島からタイに変更したのである。しかも、その時にはミユキちゃんはパクチーを既に克服しており大変タイを満喫したとの話を聞いた。
僕のタイへのあこがれは募るばかりである。
現在、無職である僕に小銭が入り、どこか旅行に行きたいと思った時に僕が行きたい国は、絶対に問答無用でタイであった。
とうとう僕にタイに行く番が回って来た。
名前を知らない時からあこがれていた国である。
大学生の僕は“タイは若いうちに行け”と聞いた。
35歳の僕はタイに相応しい若さではないのかもしれない。
しかし、これからの人生において確実に年をとっていく僕は今が一番若い。
やはり僕にも旅に出る理由があるのである。
BGM:小沢健二「僕らが旅に出る理由」