朝起きたら違和感が。


 人工肛門のパウチの隙間から便が漏れていた。


 周りに保護テープを貼っていたので、大惨事は免れたが、そのまま風呂場に直行。


 シャワーで洗い流したところ、パウチはまだ使えると判断し、風呂から上がったのだが、パウチの板面に便が入り込んでいるため、痛痒い。


 ウンチをした赤ちゃんと同じで放っておけば、ただれてしまう。


 結局夕方パウチを交換することにした。昨日替えたばかりなので、ちと痛い。


 パウチは一箱4,500円。6枚入っているので1枚あたり750円もする。1日で消費するにはもったいないのだ。


 4ヶ月に一度人工肛門装具の補助金が出て、だいたいはそれで賄えるのだが、毎回5千円〜1万円は手出ししている。

 

 普段は2、3日周期でパウチを交換する。できれば3日持たせたいのだが、痒いのを我慢すると、肌がただれるので、替えざるをえない。


 パウチを貼るところは、3日に一度交換の間の15分程度しか、空気に触れない。それだけに肌のトラブルはどうしても避けたい。


 ということを考えつつ、交換に臨むのだが、今日は運悪く下痢気味だった。


 人工肛門なだけに、肛門の括約筋がない。自分の意志で便を出すタイミングをコントロールすることは不可能だ。

 

 少量ならともかく交換中に大量に便が出るときのやるせなさはたまらん。


 だから交換日は、昼食後は、食べ物はもちろん、飲み物もできるだけ摂らないようにしている。


 失ったからこそ痛感するのだが、人類は肛門括約筋の恩恵を受けている。声を大にして言いたいくらいだ。

 

 哺乳類は恐らくそうだ。

 鳥は下痢みたいな糞を撒き散らしたりするから、違うかもしれない。


 気を取り直して夕食の準備に取り掛かる。鶏ムネ肉に塩昆布を揉み込んで焼いて食べたらおいしかった。


 ご飯でお腹いっぱいになってしまい、妻が作ったマンゴーゼリーが食べられないのが残念だ。明日の朝いただこう。