久々に渋谷陽一の『ワールドロックナウ』を聴いた。プリテンダーズの現代版のようベストコーストやリアムギャラガーのアンプラグドも良かったが、気に入ったのは、フィービーブリジャーズだ。
 特に新アルバムのラストを飾るという「I Know The End」が素晴らしい。


 ビートルズの「ストロベリーフィールズフォーエバー」で有名なメロトロンのような、高音を潜らせた音像で始まり、終盤盛り上がってカタルシスを味あわせてくれる。盛り上がりのところではなぜかルーリードの『ベルリン』を思い出した。

 後半盛り上がる曲に例えば、U2の「With Or Without You」があるが、

 
 こういう予定調和的な盛り上がり(決して貶しているわけではない、大好きな曲です)とも異なり、良い意味で裏切られる展開が待っている。

 渋谷陽一が番組の最後に、高齢者のリスナーが多いことに触れていて、「ツェッペリンをかけろ」と言わずに、現在の新曲をかけてもちゃんとついてきてくれるというような趣旨をのことを言っていて、コアなリスナー層であろうツェッペリンファンを奈落の底に突き落としていたのが可笑しかった。

 今日で5fuの点滴が終わり、点滴管も外された。しゃっくりは今夜はないが、ゲップが続く。

 潰瘍性大腸炎にかかって以来、入院時は点滴管の世話になることが多いが、管に繋がれたままだと、病院から避難せざるを得ない天災や火災にあったとき、自分は死ぬ側だなという感覚ある。
 
 映画『ブラックレイン』で松田優作に殺される人の良さそうな刑事が出てくるが、主人公の動機付けのために殺されるんじゃないかという物語の構成上必要な「仲間の死」を見るたびに、自分もそっち側の人間だなと身をつまされたものだ。
 
 暗い連想に浸ってしまったが、点滴管から解放された、日々を楽しみたい。