さて、ついに続きに戻ります。
セイラさんが旅立ったあと、ついにひとりとなりましたが、やはり寂しさは否めない。
ただ、楽しいのは、料理ですね。
「こんな変な調味料があるんだ。」
とか、
「こんな野菜どう食べるのかな。」
と考えるのは楽しいです。ただ、パンダの国では、少量の油というものが売っていない。油というのは、夕飯一回作るのに、日本のミニサイズを使い切るぐらいのペースなので、5リットルぐらいのタンクをみんな買うのです。
最初、見たときは黄色いオレンジジュースかと思いました。あのタンクすべてが油とは。
そして、夕食時に部屋に戻ると、大変です。
パンダの国では(というより、うちのマンションでは)、玄関を開け放して調理する。
まあ、においがこもるからなんだと思いますが、いろんな家からジャージャーと油いためのいいにおいがするのは、壮観です。
友人に「パンダの国のおかあさんは、どれぐらい品数作るんですか?」
と聞いたところ、
「5品か6品。」
ということです。加工品があまり普及していないので、作るときはわりときっちり作るみたいで、大変そうです。
あと、わたしは和食やらイタリアンやらのほうがどちらかというと好きなほうなのですが、
どう考えても、パンダで食べるパンダ料理は他の追随を許さない。
まず、野菜の豊富さと、調理の仕方の豊富さ(いろんな地域の料理があります)、旬のとりいれかた、種類の豊富さ、などなど、料理としての完成度は実はフレンチなんかよりも、ずっとずっと高い。
「日本のメニューってどうして見開きで終わりなんですか?あんなのメニューとはいいませんよ。」
といわれたこともあります。たしかに、パンダのレストランのメニューは何枚もあり、いくらでも選べる。
食に対するエネルギーも尋常じゃなく、お客様への接待で美味しくないものを出してしまった会社は、仕事を失ったとかいう話も冗談ではなく、本当に存在しています。