いろんなところに書いたり話したりしているが、ネジバナを見ると思い出す子がいる。

いつものけ者にされ、いじめられ続けた女の子だった。ハチ高原で、この花の名をただ一人知っていた。中学に進学し、バレー部に入ったけど、いつも声出しだった。公立高校入学試験で、不合格を報告してくれたのは、彼女だけだった。苗字を何度も変えたあの子、今幸せだろうか。高校以後音信不通。元気なら知らせよ。甘いはちみつで、子ども時代の辛抱を褒めたい。

ネジバナの季節、あの子を想う。