学校や教育に関する不毛な議論が続く。富山の教育委員が「社会の役に立つ人材、つまり子どもという商品の価値を高めて輩出するのが学校」と発言したら、大問題に。教育目的には人格の陶冶と社会性の涵養がある。社会性を育てる意味では、この発言は間違っていない。批判者は、人格の陶冶の側面で非を唱えたんだろう。ものいえば唇が寒いどころか、凍ってしまう時代。若いころ、面白い老人と出会った。「個性伸長」を言う私に、老人は言った。「五葉松をどう思う。盆栽いじりのもんは、五葉松が好きなようだ。だが、あの松は柱にもならんぞ」と。口答えできなかった。議論の多様性と深淵をマスコミに望む。

クチナシの白い花が咲いた。美しいが、すぐに朽ちる花。