教育の流れを変えた事故といえば、神戸高塚高校校門圧死事件だろう。私は事故と言っている。この件から、学校は指導から自由へと舵を切った。子どもは指導から解放され、権利(言い分)が尊重された。犠牲者が出たことは最も悲しいが、この事故は冷静に検証すべきと思っている。著者の細井さんは、友人がよく知る人。詳しくは書けないが、貧しい境遇の中、新聞奨学生として努力して大学を卒業し、子どもの幸せ実現のため教師になったのが著者だと、友人は語った。新設校が地域から認められるように、生徒指導や部活動に熱心に取り組んだ。職員会議でルール順守指導が決議され、日常化した遅刻をさせないため、定時に校門を締めた結果、彼は加害者になった。彼に責任が集中した。以後、学校では、優しさが是となり、厳しさが非となった。小学校は、子どもにとって心地よい場となった反面、学級崩壊や登校拒否(不登校)が日常化した。

改めて彼の本を読んだ。