「ふくちゃん」の曲を作りました。
ふくちゃんは、福山市立動物園にいるボルネオゾウです。
「ふくちゃん」の事を気にして頂けた方は、よろしかったら下記リンクをご覧になってください。
ふくちゃん応援ブログ 「ボルネオゾウのふくちゃん ~ふくちゃんへの恩返し~」 http://fukuchan17.exblog.jp/
ふくちゃんから少し逸れますが、
旭山動物園園長であり、ボルネオ保全トラストジャパンの理事である
坂東元さんの素晴らしいインタビュー記事を先程拝見しました。
動物園ファン、動物好きの方、いずれでもない方にも一度触れていただきたい言葉が多々ありましたので抜粋します。
西洋では「良くも悪くも生き物と科学的にちゃんと共存しよう!」という感覚を育んでいます。 日本人は全て合理的に割り切れていないため、檻に入ってる動物を見て「かわいそう」と言ったり、一方テレビで見る犬猫に関しては「かわいい」と言ったり、どちらかというと感情的な方向に行きがちですよね。
まず1882年に、日本で最初の動物園である上野動物園ができます。
当初は日本の野生動物を外国人にしっかり見てもらいたかったそうです。
しかし、外国の野生動物であるホッキョクグマやキリンなどが輸入可能になった。
当然、日本人が「こんな動物がいるのか!」と珍しがって大勢押し寄せました。
まぁ、結局見世物になるんですよね。
その後、大都市に動物園が生まれていきます。 昭和30〜40年代になると高度経済成長もあって世の中がどんどん豊かになった。
財政豊かな地方都市に動物園が乱立していくんです。
あちこちに動物園が増えた結果……。 人間はすぐに飽きてしまいました。
動物園は生きている野生動物を飼うわけです。
当然、莫大な費用が掛かります。 お客さんを飽きさせないよう、珍しい動物をどんどん入れようとしても、いたちごっこですよね。
予算に限りのある地方の動物園は対応しきれません。 だから今いる動物たちのことを大切にできないかと思い至りました。
動物園の理念には「娯楽」「教育」「種の保存」「調査研究」という4つの柱がありますが、全て欧米で作られた理屈です。
動物園の存在を正当化するための理論武装ですよ。
その4つの要素に関しても、日本の動物園でちゃんとできているところは少ないですよ。
例えば「客寄せパンダ」と言いますけど、それは「動物の命の価値に差がある」と言っているのと同じことです。
命を扱っている側がそれをしてはいけない。
「日本で唯一〇〇がいます!」なんてアピールする一方で、「種の保存」っていうのはおかしいですよね。
タヌキは自分がパンダでない事を悩んで生きてはいない。
ほとんどの人が潜在的に何かと比較して判断しちゃってる。
数年前にデング熱が流行したとき、媒介になる蚊が一斉に駆除されました。 でも、蚊がいなくなったら小鳥が生きていけない……そんな事実を自然に連想できる大人が増えるといいですね
芸ができる動物が話題になる。
でも、動物の芸を見ても、その動物の生態や背景には気付かないでしょう。
実際、ある芸で有名なクマがいるんですが、彼は有害駆除で殺された母グマの子どもなんです。 彼の芸で喜んでいる人は、そのことは知る由もありません。
こういう真面目な話を動物園でしてもなかなか聞いてくれないんですよ。
なんとか届けようと旭山動物園では頑張っていて、そのひとつにアザラシの「もぐもぐタイム」というのがあります。
ショー的な意図はなく、自然界にいるアザラシが、実際の漁港に来る環境を再現しているんです。
そこでは、「実際の漁港には『ゴミ』がたくさんあって……」というふうに環境についての真面目な話もします。 すると、結構最後まで聞いてくれるんですよね。 言いたいことがあったら聞いてもらわないと負けなので。 道のりとしてはそんなに楽なものではなかったですがね……。
平成に入って、ラッコブームが起きたのをご存じですか?
すごいブームでね。すると、相対的にアザラシが不人気になったんです。
うちにはラッコがいなくてアザラシがいたんですが、親や先生はアザラシを見飽きてて「ラッコはいませんか?」とか聞くんですよ。
親や先生など大人が必ず言ってたのは「これラッコじゃないんだよ、ただのアザラシだよ。次に行こうね」です。
私はとても悔しかったんです。あまりに悔しいから、その先生を追いかけて「どこがただのアザラシなの?」って問い詰めたこともあったほどで……(笑)。そこで先生も説明できないんですよね。マスコミから得た情報で、なんとなくそう考えちゃってるから。
よく「一番、人気のある動物はなんですか?」って聞かれるんですが、うちのスタッフは「一番なんてない」と思っています。