◇令和4年度関西学生野球連盟春季リーグ戦◇第6節◇対京大3回戦◇5月10日◇南港中央野球場

 

立命館010|000|010 =2

京 大000|200|001X =3

 

(立)長屋、高塚、谷脇―加藤、浅野

(京)水江、徳田、愛澤、牧野―愛澤、水野

 

 前の試合、京大に悔しい完封負けを喫しこの節だけは絶対に勝ち点を奪いたいなかで迎えた今試合。

 先発を任されたのは、最速152㌔右腕の長屋竣大(産2)。初回から、速球で勝負する強気の投球が光った。先頭片岡を三邪飛で打ち取るとその後、3番伊藤から早速三振を奪うなど、6球で終える超省エネ投法で無失点に抑える。2回、3回と3者凡退の完璧な出来で計9人の打者を25球で終えた。しかし、4回2死から3番伊藤、4番山縣の連打で完全試合ペースが崩れると直後の5番青木に左越えの2点適時打を浴び逆転を許してしまう。5回、6回と長屋は持ち直し、6回2失点、7奪三振の投球でマウンドを降りた。

 

逆転適時打を浴びた直後のバッテリー(左:加藤、右:長屋)

 

 一方、今シーズン開幕からずっと不調が続く打線は2回、唯一好調を維持し続けている4番白瀧恵汰(産4)が無死からヒットで出塁すると、チャレンジリーグで連日結果を残しているこの日初スタメンの田中陸(文2)が犠打を決めチャンスを演出。さらに、中野悠斗(産4)もヒットでつなぎ、2死1,3塁の場面で加藤優翔(産1)が打席へ。加藤の打席間に中野が盗塁を試み、これが相手捕手の送球エラーを誘い1点を先制した。

 

2本のヒットでリーグ2位の.370を記録し首位打者争いに食い込む白瀧

ヒットを放つ中野

 

7回には、白瀧がこの日2本目となるヒットと連続四球で2死満塁のチャンスを作るも、代打の池之上祥大(産3)が凡退。それでも、8回には先頭代打の広田太陽(産4)が四球で出塁。持ち味の俊足で二盗と捕手悪送球の間に無死三塁のチャンスを作ると、3番桃谷惟吹(産3)の内野ゴロで同点のホームを踏んだ。

 

同点のホームを踏んだ広田

 しかし9回には、打線が京大4番手牧野から3者連続三振を喫し流れは一転。9回のマウンドを託された谷脇弘起(産3)が2死から二塁打と四球でピンチを作ると、またも5番青木に適時打を浴び、今シーズン4度目のサヨナラ負けで連盟発足以降初のチーム最下位が決まった。

 

サヨナラ打を浴びた谷脇

 

 試合後、チームを指揮する後藤監督のコメントは以下の通り。

Q.チームの最下位が決まって

A. また出直すしかない。まだ、立同戦が残っている。立同戦までには一矢報いることができるような戦力にしたいと思う。あとは、気持ちの切り替えだけだと思うので。選手任せにし過ぎていた自分が悪いんですが、彼らのことを信じてまたやるしかないかなと思います。でも、任せすぎてもよくないのかなと今は考えています。


Q.これまでのチーム方針が選手主体だった

A. 世代によって、そういった事情は異なるので考えていないです。今は、みんなでまとまってやるしかないので、みんなの「奮起」を期待しています。


Q.今年は久しぶりに立同戦で人が多く入る

A.そうですね。同志社の胴上げだけは見たくないので、何とか頑張るしかないです。


Q.この日の投手陣について

A.(長屋は)立ち上がりはすごく良かったと思います。ヒット1本であんなに崩れるのか。というところで納得行かないです。最後の谷脇にしても2死からヒット1本で崩れていく。そういった場面がずっと続いているんで、「情けない」の一言ですね。バッテリー間で弱気になることが多いので、情けないですね。(加藤は初スタメン)初めての経験で、新人が苦労するのは全然構わないんですけど、(ケガで離脱中の)星子のようにベンチがサインを出さなくてもバッテリーで切り抜いて行ってもらいたいですね。


Q.相手先発の水江投手を打ちあぐねたが

A.ベンチから見てそんなにいい投球には見えなかった。でも、あまりに左打者が詰まっていたので、みんなが萎縮して詰まっていたのかなと思いますね。(選手には)コンパクトなスイングじゃなくて、しっかりバットを振っていった方がいいよ。とは指示していました。


Q.中野がヒットでチャンスを広げた

A.欲を言えば、交代するまでにもう一本は打って欲しかったですね。でも、気持ちで打ったヒットだったのでよかったと思います。


Q.代打の広田の役割について

A.1打席ですからね。あれで褒めてしまったら彼の成長は止まってしまうと思うんで。今シーズン残り2試合含めて、彼含め全員が調子良い時までにどれだけ戻せるか、メンタル含めて期待したいと思います。


Q.代打の池之上について

A.練習で調子が良かったので2試合連続で起用しましたが、結局、試合で結果が出せなかったので公式戦では難しいのかなと感じています。京大よりも、はるかに同志社は速い球を投げる投手が多いので、詰まっているようだと難しいですね。

 

指揮を執る後藤監督(4月30日撮影)

 

同点直後、途中出場の打席で2塁打を放ち、守備で好プレーを見せた藤井敏暉(産3)の試合後のコメント


Q.途中出場でヒットを放ったがどんな思いで打席に立ったか

A.関大戦は自分のミスで負けたので取り返したいという思いで打席に立ちました。


Q.途中出場で結果を残すのは難しいか

A. 難しいです。ずっと緊張しています。足震えています。


Q.守備ではダイビングキャッチの好プレーを見せた

A.あの難しい打球を関大戦ではエラーしたので、捕れてよかったです。


Q.次の立同戦にむけて

A.とにかくキャプテンを助けたいです。

 

守備に就く藤井(4月30日撮影)

 

 この試合を落とし、京大に2002年秋以来の勝ち点を許した立命館。これでチーム成績は、1勝8敗と、勝ち点0でシーズン途中ながら史上初の最下位が決まった。今シーズン1点差ゲームを6試合経験、唯一の勝ちゲームもそのうちの1試合に含まれる。1点の重みが終盤のイニングでプレッシャーとして選手達に現状重くのしかかっている。チームの浮上のカギは、京大が見せた勝利への執念のように、1点差ゲームをモノにする力とメンタルにあるはずだ。試合には選手以外にもマネージャーや学生コーチ、アナライザーなど多くの人たちが支え、勝利のために戦っている。彼らの支えを改めて力に変えて、今シーズン残り2戦、好調同志社との立同戦をこれまで以上に全力で戦い「勝利」を飾って欲しい。                        (山田正義)