第68回全日本総合男子ソフトボール選手権大会京都府予選/対TWICE飛龍/於・三段池ラビハウスフィールド

 

立命館 2x-1 TWICE飛龍(延長8回タイブレーク)

 

飛龍 000 001  00  =1

立命 000 000 11x=2

 

全日本総合選手権は、「サッカーでいえば『天皇杯』のような大会。大学、実業団、クラブ等、登録するカテゴリーは違っても、各都道府県予選・地区予選を勝ち抜きさえすればどんなチームでも大会に参加することができる」(日本ソフトボール協会HPより引用)という大会である。立命館男子ソフトボール部にとってその第一歩となる京都府予選が3日、京都府福知山市の三段池ラビハウスフィールドで行われた。ここで勝てば6月に同じ場所で行われる近畿予選に進出することができ、近畿予選も突破すれば9月に三重県で行われる本大会へと出場することができる。

 

立命館にとってはシーズンが始まって初の公式戦、5日から始まる関西学生春季リーグも見据えて3人の投手の継投で臨んだ。しかし6回表、この回からマウンドに上がった3番手の中辻尽志(文3)がその先頭打者に左中間に運ばれ、先制ソロを打たれてしまった。打線も相手投手陣の球を打ち崩せず、1点ビハインドのまま最終回の攻撃に突入する。ここまで常に明るく、ユーモアの混じった掛け声が響いていた立命館ベンチの雰囲気もさすがに重くなっていた。

 

しかしその雰囲気は一振りで変わった。最終回の先頭打者、成房龍樹(法4)が起死回生の同点ソロを放ったのだ。ホームインした成房の周りにチームメイトが集まり、歓喜の輪ができた。そしてそのまま二死満塁と絶好のサヨナラ機を作る。しかし2番、大西楓耶(産4)の会心の当たりは惜しくもセンターライナーとなり、この回で勝負を決めることはできずに試合は無死二塁の状態から始まるタイブレークへと突入した。

 

 

1つのミスが命取りとなるタイブレーク、立命館は8回表、相手の二死一、三塁のチャンスを抑える。そしてその裏、二塁ランナーを倉澤尚吾(文4)がバントで三塁へ進める。一死三塁の場面で迎えるのは四番、小山竜加(産2)。ここまでノーヒットと当たりが出ていなかったが、「絶対打ってやる」という気持ちで打席に入った。プレッシャーはそれほどなかったという。そしてその初球、三塁ランナーがスタートするのを見てバットにボールを当ててゴロを転がし、三塁走者がホームに滑り込む。サヨナラヒットエンドランで立命館が熱戦を制した。

 

 

主将の倉澤はこの一連の作戦を8回裏の攻撃開始前から決めていたことだと振り返る。「なかなかエンドランをするチームは珍しい。相手が警戒していなかったところに決めることができた」と振り返る。かなり練習を積んでいたというこのエンドラン、本番で見事に決めることができた。

 

5日から始まる春季リーグではいきなり神戸学院大、関大という強豪と連戦となる。倉澤主将は「いい雰囲気ができた。リーグ戦では全勝優勝を狙いたい」と述べた。春季リーグ、そしてその先の全国へ向け、歩み続ける男子ソフトボール部にぜひ注目してほしい。