大切にしている写真がある。
律希がお腹にいる時に、一緒にお世話をしていたお花。「お花好きの優しい男の子が出てくるね」と義理のお母さんが言ってくれてて、そんな気がしていた
死産の後お家に戻ってきた時に、どうしてもそのお花たちと一緒に家族写真を撮りたかった。
でもお外で写真撮ってる時に、ご近所さんと会っちゃったらどうしよう…
そんなことばかり考えていた。我が子を産んだのに、堂々と挨拶すらできない現実がつらかった。そしてそんな風に思う自分も嫌だった。本当に息子にごめんね、ごめんねと思っていた。こんな風に産んだのは、私なのに。
でも夫は違った。「撮ろうよ!」と言って私が大事に育てたお花を全部玄関の前に運んでくれて、カメラをセッティングして、撮影ブースを作ってくれた。ご近所さんが、誰も外に居なそうなことを確認してくれて、「今なら行ける!笑」と外に連れ出してくれた。
本当にこの人と結婚して良かったって思った。
夫も私も笑顔で、律希も笑っているような気がする、すごくいい写真が撮れた。
2日後の火葬の時には、同じお花を棺にたくさん入れた。
お花を目印にお家を見つけて、きっといつか会いに来てくれると信じてる
だから立ち止まらないで進む。
息子のためにも、夫のためにも。