朝摘んだお花の写真が出てきた
お庭のお花の匂いを辿って、また帰ってきてくれるかなぁ。
お花、枯らさないようにママ頑張るから、戻っておいでね。
ザーザーぶりの雨の中、車が出発。
妊娠中は入らなかった黒いパンツが履けたのが悲しい。
会陰を縫った傷が痛い。
泣きすぎて目が開かない。
心も身体もとにかくボロボロだった。
こんなに着かないでと思ったことない。
夫も私も、無言だったと思う。
よく覚えていない。
火葬場の駐車場に車が停まる。
夫に「行こうか」と言われて、本当にこの時人生で1番泣いた。
降りたくなかった
行きたくなかった
頑張って産んだのに
せっかく産まれてきたのに
すごくかわいかったのに
してあげたいこといっぱいあったのに
ずっと一緒にいられると思ってたのに
どうしてこんなにすぐ骨にされちゃう?
今行ったら、もう二度と息子の肌には触れなくなる
耐えられなかった
子どものように、助手席でわんわん泣いた。シートベルトにしがみついて、降りようとしなかった。自分でもこんな行動に出るなんてびっくりでもそれほどに、理性がなくなるくらいの出来事だった。我が子の火葬なんて…
行きたくない
行かない
降りない
いやだ
首を横に振り、駄々をこねるように繰り返してた。
夫はすごく困った顔をしてた。
「時間を変えてもらう?」と優しく言ってくれた。そんなこと、出来る訳ないことは私も分かってた。それでも、無理に連れ出そうとしない夫の優しさを感じた。
「〇〇、1人で待ってるよ、寂しいよ」と泣きながら夫に言われて、我に返った。夫が泣いてるのを見ると、私だけがツラいんじゃないんだ、ちゃんとしないと、と思うみたいで、「降りる」と言ってやっと車を降りた。
続く