※実話です。
うちの学校には先生個人のボックスがある。
ホワイトボードマーカーとかプリントとかを入れるための小さいボックス。
ある朝、学校に着いてボックスを開けると白い封筒が入っていた。
何も書かれていないその封筒の中には何も入ってなかった。
何かの間違いか、それとも嫌がらせか
訳が分からなくてとりあえず忘れ物&落し物コーナーにそっと置いた。
次の日、ボックスの中にまた封筒。
今度は私の名前が書かれていた。
封を切ると、やっぱり何も入ってなかった。
少し怖くなって、でも捨てることも出来ずに手帳の中に挟んでおいた。
次の日も、その次の日も
授業がある日はほぼ毎日、空の封筒が入っていた。
「ラブレターじゃないの?」
数少ない同期のK先生が、封筒を覗き込みながら言った。
同期で入ったが、彼女の方が2歳上なので私は姉のように慕っていた。
「でも手紙とか入ってないんですよ」
「うーん・・・何だろうね」
意図は相変わらず分からなかったが、とりあえず差出人は学生だろうと予想していた。
それからK先生にも協力してもらって、担当クラスの学生に聞いてみたけど、それらしき人は見つからなかった。
何も分からないまま封筒はどんどん増えていった。
もし何かおかしい事が起こったら、真っ先にこの封筒を警察に持っていこう!
指紋とか筆跡とかで犯人が分かるはず!
そう思って封筒は大事にとってあったのだ。
手帳に溜まる封筒が20枚を過ぎた頃だった。
「この封筒って端の部分がちょっと厚くなってるよね」
K先生が指差したところを見ると、確かにちょっとだけ厚くなっていた。
先生は分厚いところをゆっくり破っていった。
その中から、小さく折られた紙が出てきた。
その紙を広げると小さな文字でこう書いてあった。
『先生 好きです』
と。
驚いて固まる私を見て、K先生は
「これ、全部同じだから」と言い、他の封筒も破いていった。
ほらね、と笑って広げられた小さな紙には全て
先生 好きです
と書かれていた。
犯人はK先生だった。
先生は私を好きで好きでどうしようもなくて、だけどどうにかしたいと思ってこの分かりにくいラブレターを届けていた。
というわけではなく、単にイタズラだったようだ。
私がすぐに捨てていたらネタをばらすつもりだったらしい。
私も精神的にきつかったとかではないし、むしろちょっと面白かったから
結果としては仲良くなるきっかけになったので、良かったです。
と、大体こんな事がありました。
何も入ってない封筒には注意しましょう。