ミュージカル『ラ・マンチャの男』2023.4.23..
❛松本白鸚、傘寿にして挑み続ける。幻のファイナル公演が奇跡の復活!❜
こう謳われたステージの最終章が幕を閉じた。ミュージカル『ラ・マンチャの男』は、ミゲール・デ・セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』を原作としたミュージカル。
1965年にアメリカで上演されブロードウェイに進出した4年後、白鸚丈(当時/市川染五郎さん)の主演で日本初演を果たした。その後半世紀以上にわたって上演が重ねられてきた。今回のファイナル公演は、本来2022年2月に東京・日生劇場で行われる予定だった…がコロナ感染によって公演予定25回が僅か7回しか上演出来ず「千穐楽」を迎えられないまま中止になってしまっていた。
関係者諸氏のご尽力により【幻のファイナル公演、奇跡の復活】と銘打ったアンコール上演が今回企画され、2023年4月14日から24日まで10回公演実現に至った。
楽前日、よこすか芸術劇場(大劇場)に足を運ぶ事が叶った。4層バルコニー席に囲まれた馬蹄形の劇場はとても雄壮で、客席からの惜しみない拍手は終始熱く劇場に鳴り響いた。
物語の舞台は、16世紀末のスペイン。教会を冒涜した罪の嫌疑により、セルバンテス(松本白鸚丈)は従僕とともに投獄される。地下牢では囚人たちが2人を取り囲み牢名主(上條恒彦さん)は裁判にかけようとする。慌てたセルバンテスは即興劇による申し開きを思いつき、囚人全員に役を与えて”遍歴の騎士”ドン・キホーテの物語を再現し始める。巻き込まれた囚人たちは次第に心を動かされていく…。
劇中、心に深く問いかける印象に残る台詞メッセージがある。「一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生にただ折り合いをつけてしまって、あるべき姿の為に戦わないことだ」松本白鸚丈(セルバンテス役)のこの強い言葉には何度力を頂いた事か。
齢80、このファイナル公演を成し遂げようとされる懸命なお姿…その役者魂には本当に頭が下がる。カーテンコール挨拶後、共演の駒田一さん(サンチョ役)の肩に寄り掛かりながらステージを去る姿には涙した…。
思い返すと2012年8月19日帝国劇場に於ける本作1,200回公演観劇時には、幸四郎丈古希70歳の誕生日と故デール・ワッサーマンの遺志で細君から1966年トニー賞トロフィーを手渡され感涙される場面を見届けられたりと…記憶に残るもの多い素敵な作品であった。
〈出演者〉敬称略
セルバンテスドン・キホーテ…松本白鸚
アルドンザ …松 たか子
サンチョ …駒田 一
アントニア …実咲凜音
神父 …石鍋多加史
家政婦 …荒井洸子
床屋 …祖父江進
ペドロ …大塚雅夫
マリア …白木美貴子
カラスコ …伊原剛志
牢名主 …上條恒彦
他
〈スタッフ〉敬称略
脚本…デール・ワッサーマン
作詞…ジョオ・ダリオン
音楽…ミッチ・リー
訳…森 岩雄,高田蓉子
訳詞…福井 崚
振付・演出…エディ・ロール(日本初演)
演出…松本白鸚
演出スーパーバイザー…宮崎紀夫
プロデューサー…齋藤安彦・塚田淳一
他
制作…東宝
主催…一般社団法人映画演劇文化協会
…東宝株式会社
共催…公益財団法人横須賀芸術文化財団
後援…横須賀市
運営…KMミュージック
協力…京浜急行電鉄株式会社
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