簡単に感想を
『夏祭浪花鑑』
名作ガイド本には必ず載ってますね
私の持ってる本には "出色の殺し場"
ですって
主人公 魚売りの団七が釈放される所から始まります
「石切」の試し切りされる牢人みたいな
薄ブルーの着物に伸び放題の眉と髪
誰って感じ
目の前の床屋でサッパリし
イケメンへ変身した染五郎さん
首抜き紋の浴衣姿です
釈放に力を貸してくれた
玉島家の息子 玉島磯之丞(萬太郎)は
傾城 琴浦(壱太郎)を身請けして勘当の身
琴浦に横恋慕する佐賀右衛門に雇われ
団七に喧嘩を売る徳兵衛(松也)
思わず写真を買っちゃいました
団七女房お梶(孝太郎)が止め
2人は義兄弟の契りを結びます
次の場は2人が色違いの麻着物で
とっても素敵
かつて団七縞と呼ばれて大流行したそう
老俠客の釣船三婦(=サブ 鴈治郎)も
彫り物のような麻着物が素敵
この舞台は全部が視覚的にオシャレだなぁと思いました
イケメン俠客が揃いでスッと立ってたら
そりゃあカッコいいでしょ〜
染五郎さんの番附け用写真
チラリと除く藍色の彫り物もオシャレ
今じゃ彫り物はありえないけど
当時はオシャレの一つだったんでしょう
現場の泥田の周りには咲き誇る夕顔の花の絡まる生け垣
時はちょうど夏祭りで板塀の向こうを山車の提灯がゆっくりと通って行く
凄惨な殺しと
美しい物や明るい日常の対比が凄い
明と暗
あゝ 夏の日差しと影なんだなぁ
冷房の効いた劇場で観てるけど
視覚的には夏な感じ
見事です
映画だったら監督を絶賛しちゃうわ
殺しも見栄を多用していて
泥まみれだけど血が少なくてホッ
とても完成された作品で
再演を重ねるのも理解出来ます
名作本に出てる勘三郎さんの団七観てみたかったな
シネマにならないかしら
『二人道成寺』
今回の感動の一つ
時蔵さんってこんなに綺麗だった
名優だなぁとは認識していましたよ
でも容姿は特別に感想を持ったことが無かった
ところが今回は昼夜ともとても美しい
「夏祭浪花鑑」のお辰は
いつもの時蔵さんだなと思ったけど
白拍子 花子は綺麗だった
ビジュアル満足
もちろん踊りは一級品
少女が恋して女になっていく‥
まさに恋する想いが伝わるよう
目が釘付けでした
対する白拍子 桜子は孝太郎さん
こちらはだいぶ個性が違って
キリリとした表情
キツさが若さにみえて
鐘を睨む目も強くて情熱的性格のよう
違いが楽しかったです
とっても見応えある昼の部でした