「とりあえず、家に来たなら賽銭入れてちょうだい」


 霊夢はいつものように、相手に悟られないように魔理沙に言う。


「ふっふっふ…、今日の魔理沙様は一味違うんだぜ? 今日くらいは入れとくのぜ!」


 そう言うと、魔理沙は帽子の中を探って財布を取り出す。


 その行為には関心した霊夢は腕を組んで、満足げに笑みを浮かべる。


 そして、魔理沙が賽銭を投げ入れる瞬間…霊夢は魔理沙に札を投げつける。


「おさい銭はありがたいけど、本人じゃないなら意味は無いでしょ? ねぇ…アリス…」


 霊夢が札を構えたまま、魔理沙を見つめる。


 すると、魔理沙は溜め息を一つ零して、帽子を外す。


「いつ…ばれたのかしら?」


 髪を元通りに戻し、カチューシャを付けて、霊夢に尋ねる。


「馬鹿ねぇ…アイツが賽銭なんて入れる訳無いでしょ? むしろ、お茶と菓子をタカリに来るわ」


 霊夢もまた、溜め息を一つ零してしまう。

 やはり魔理沙のやる事は、何だかんだではちゃめちゃと言うことだ。


「はぁ…こんなに早くバレるなんて…。 まぁ時間稼ぎにはなったから、良しとしようかしら。」


 そうアリスは呟くと、霊夢から去っていく。


「足止め…ねぇ…。 まったく、また性懲りもなく異変起こした奴がいるのね」


 霊夢はそう呟いて、境内でお茶を飲んでから出発するのであった。
太陽が少しずつ上っている朝

そんな朝早くに、博麗神社の境内を掃除する…霊夢がいた。


「久しぶりに早起きをしちゃったもんね…。 不思議と疲れもないし…ね…。」


 最早この時点で異変ではないかと疑ったのは、私だけでは無いと思っている。


 しかし、珍しい事も一つ出来れば連鎖となるものらしい。


「おーす! おっ…霊夢がこんな早くに起きて掃除なんて珍しいな! 異変か?」


 なんと…早起きしていたのは霊夢だけじゃなかったと言うのだ。


 黒白魔女とよばれし泥棒、魔理沙までもが早起きをしていたと言うのだから…信じられたものではない。


「そっちこそ、あんたが早起きするなんて珍しいじゃない。 異変の前触れかしら?」


 お互いに冗談をかましつつ、真剣に考えはじめる。

 もしも、これが本当に異変だとするなら…この二人が真っ先に借り出される。


 紫からは何も連絡は無い、それに偶然が重なったとも考えられる。


 まさにどこぞの神社の巫女の能力でこうなったのかもしれないから…。