「米連邦最高裁がワクチン接種を中止。ビルゲイツと大手製薬会社が敗訴。原告は 

ロバート F. ケネディ上院議員を中心とした科学者グループ 」との情報が流れています。→  Site

 

残念ながら、この情報は デマ です。

 

 

 情報元は ナイジェリア のウェブサイト

 

USA TODAY によると、情報元はナイジェリアのウェブサイト Inspirer Radio の記事(2021年5月23日)とのことです。

 

※ 2020年に同じ情報を流している者がいます。このブログ記事の最後に追記あり。

 

 Inspirer Radio の記事には 次のように書かれてあります。

 

In the United States, the Supreme Court has canceled universal vaccination.  

 

Bill Gates, US Chief Infectious Disease Specialist Fauci, and Big Pharma have lost a lawsuit in the US Supreme Court, failing to prove that all of their vaccines over the past 32 years have been safe for the health of citizens !  

 

The lawsuit was filed by a group of scientists led by Senator Kennedy.

 

『 米国では、最高裁判所がユニバーサルワクチネーションを中止にした。 

 

ビルゲイツ、感染症の専門家のファウチ博士、ビッグファーマは、米最高裁判所での訴訟に敗訴し、過去32年間のすべてのワクチンが市民の健康に安全であったことを証明できなかった! 

 

訴訟は、ケネディ上院議員が率いる科学者グループによって提起された。』

 

上の記事は、複数の間違った情報がパッチワークのようにツギハギされています。

 

ポイントは次の3つです。

 

① ”ユニバーサルワクチネーション” とは何か。

 

② なぜ ”32年間” なのか。

 

③ ”ケネディ上院議員” は実在するか。

 

 

 ユニバーサルワクチネーション = 定期予防接種

 

まず、ユニバーサルワクチネーション とは、国民全員を対象にした定期予防接種のことです。

 

「ユニバーサル=すべての人を対象にした」「ワクチネーション=ワクチン接種」です。

 

( 全種類のコロナウイルスに対して効果があるとされる ユニバーサル コロナウイルスワクチン とは異なります。このワクチンはあくまで理論上のものであって開発されていません。この場合の ユニバーサル は「万能」という意味です。)

 

 

最高裁判所が「ワクチンの定期予防接種を中止にする」との判決をした記録はありません。

 

Supreme Court of the United States

👆

最高裁判所のウェブサイト

 

( 仮に定期予防接種が中止されたとしても、ワクチン接種が自己負担の任意接種になるだけであって、ワクチン接種自体が中止になるわけではない。)

 

それにしても、どうして判決の日付を教えてくれないのでしょうか。最高裁の判決があったのなら、その日付ぐらいわかりそうなものです(今後もこの偽情報を定期的に流すつもりでは)。

 

ちなみに米国の子供は、ユニバーサルワクチンである「B型肝炎ワクチン」を接種していないと、小学校への入学が認められません(Site)。

 

 

 米保健福祉省(HHS)が 30年間 報告書を提出していなかった

 

次に、「過去32年間のすべてのワクチンが市民の健康に安全であることを証明できなかった」とありますが、この情報は一体どこから出てきたのか。

 

AFP は次のように報じています。

 

The Facebook post adds that “US infectious disease specialist Bill Gates, Fauci, and Big Pharma lost a US Supreme Court case, failing to prove all of their vaccines over the past 32 years were safe for the health of citizens! (sic)”. 

This allegation appears to refer to another widely-shared rumour in the United States concerning a court decision from 2018. 

 

One of the largest anti-vaccine organisations in the United States, the Anti-Vaccine Informed Consent Action Network (ICAN), filed a Freedom of Information lawsuit against the US Department of Health and Human Services (HHS) in 2018, calling on officials to release detailed reports about vaccine side effects.

 

The department said it could not find these reports, which ICAN cited as evidence that the federal government had failed to fully study the effects of vaccines for the past 30 years

 

However, scientists and the fact-checking website PolitiFact noted that numerous in-depth reports on vaccine side effects have been published by HHS and other US agencies.

 

Furthermore, this case was handled by the Southern District of New York, not the US Supreme Court.

 

『 フェイスブックの投稿には、次の文が付け加えられている。” 米国の感染症の専門家である ビルゲイツ、ファウチ、ビッグファーマは、米最高裁判所の訴訟で敗訴し、過去32年間のすべてのワクチンが市民の健康に安全であることを証明できなかった!(原文のママ)”。

 

この主張は、2018年の裁判所の決定に関して、米国で広く共有されている別の噂に言及しているようだ。

 

米国最大の反ワクチン組織の1つである ICAN は、2018年に アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)に対して情報公開の訴訟を起し、ワクチンの副反応に関する詳細な報告書を公開するよう当局に求めた。

 

同省は、連邦政府が過去30年間 ワクチンの効果を十分に研究していなかった証拠として、ICAN が引用した報告書を見つけることができなかったと述べた。

 

しかし、科学者と事実確認ウェブサイトの PolitiFact は次のように指摘した。

” HHS や他の米国の機関によって、ワクチンの副反応に関する多くの詳細な報告書が公開されている。”

 

さらに、この訴訟は米最高裁判所ではなく、ニューヨーク州南部地区(の裁判所)によって処理された。』

 

※ 2018年の時点で「30年間」であることに注意。

 

太字部分の意味がわからなかったので調べてみると、どうやら「HHS が 30年間 ワクチンの安全性に関する報告書を議会に提出していなかった」ということのようです。

 

ある サイト に次のように書かれてありました。

 

The U.S. Department of Health and Human Services (HHS) has admitted that, in direct violation of Federal law, it failed to provide a single vaccine safety report to Congress for thirty years, according to Informed Consent Action Network (ICAN).

This acknowledgement comes after eight months of stonewalling from HHS following a Freedom of Information Act (FOIA) request from the nonprofit ICAN, and its founder Del Bigtree. 

ICAN sought copies of the reports HHS was required to submit to Congress every two years, starting in 1988, detailing improvements it made to vaccine safety. 

ICAN was represented by Robert F. Kennedy, Jr.

ICAN sued HHS in the U.S. District Court for the Southern District of New York, demanding that the reports be shared with the public. 

 

HHS eventually conceded that those reports do not exist and the Court entered an order confirming this concession. 

 

『 ICAN によれば、HHSは、連邦法に直接違反して、30年間 ワクチンの安全性に関する報告書を議会に提出していなかったことを認めた

 

(省略)

 

ICANは報告書のコピーを求めた。その報告書とは、HHS が1988年から2年ごとに議会に提出する必要があったものであり、ワクチンの安全性が改善されたことを詳細に説明するものである。

 

ロバート F. ケネディ Jr が ICAN を代表した。 

 

ICANは、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所で HHS を提訴し、報告書を

一般に公開するように要求した。

 

HHSは最終的に報告書が存在しないことを認め、裁判所はこの譲歩を確認する命令を出した。』

 

「HHSは連邦法に直接違反」とありますが、この連邦法とは、1986年に制定された 『全米小児ワクチン傷害法(NCVIA)』 のことです。

 

 

AFP が報じているように、2018年4月12日に ICAN は HHS を提訴しました。

 

Stipulated-Order-copy.pdf (icandecide.org)

👆

2ページ目に「 On April 12 , 2018, ICAN filed a Complaint … against HHS … responsive to the FOIA Request 」とあります。

 

ICAN vs HHS

 

 

この2018年の訴訟は情報公開法(FOIA)に基づいてなされたものであって、ワクチン政策とは関係ありません(「報告書を公開しろ」と請求したのであって「ワクチン接種を中止しろ」と請求したのではない )。

 

また、訴訟の当事者は ICAN と HHS であって、ビルゲイツ・ファウチ・ビッグファーマ・科学者グループ は関係ありません。

 

( ビッグファーマ は巨大製薬企業の総称であり メガファーマ ともいう。具体的にどの製薬会社が提訴されたのか不明。科学者グループが誰なのかも不明 )。

 

さらに、裁判が行われたのは最高裁判所ではなく連邦地方裁判所です。

 

ちなみに、ICAN に資金提供しているのが、ユダヤ人の Bernard Selz 。→ Site

Washington Post によれば、ICAN の活動資金の4分の3を提供している(Site)。

 

 

 ケネディは弁護士

 

ロバート F. ケネディ Jr  は上院議員ではありません。 環境弁護士です。

 

USA TODAY によると、ケネディは今回の件について「何のことかわからない」 と メールで語ったそうです(メールの内容が公開されていないので真相は不明 )。

 

とにかく、訴訟を起こして裁判に勝ったのであれば、ケネディ自身から発表があるはずです。しかし何の発表もありません。

 

Robert F. Kennedy Jr

👆

ケネディの ツイッター

 

ケネディは2018年に HHS に対する訴訟で ICAN を代表しましたが、彼はここ最近、最高裁判所に上訴していません。

 

 

 ビルゲイツにワクチン接種の中止を請求しても意味なし

 

もし裁判所が「ワクチン接種を中止する」との判決を下したとすれば、その意味は、ケネディたちが ビルゲイツや製薬会社に対して ワクチン接種を中止するように請求し、その請求を裁判所が認容した、ということです。

 

しかし、ワクチン接種を実施しているのは ビルゲイツ や製薬会社ではありません。

 

ケネディたちが ワクチン接種の中止を彼らに請求しても、裁判所はその訴えを受理しないと思います。これが、今回の情報は デマ ではないかと思って調べた理由です。

 

( そもそも最高裁の判決が出るまで何の情報もなかったことがおかしい。もしケネディが訴訟を起こしたのであれば、その時点で相当な話題になったはず。しかし何の情報もない。一審と二審に関する情報もない。)

 

 

 ワクチンは非常に危険

 

「最高裁の判決でワクチン接種が中止になった」わけではありませんが、ワクチンが危険であることに変わりありません。

 

【閲覧注意】猛毒コロナワクチンによる凄惨な副作用の症例

 

【日本】ファイザーワクチン接種を受けた 846人が重篤症状、51人が死亡

 

「コロナワクチン接種者の寿命は長くて3年」 元ファイザー副社長マイケル・イードン氏の命懸けの告発

 

ファイザー元副社長イードン博士  ワクチン接種による子供の死亡リスクは 50倍だと語る

 

 

いまだに新型コロナウイルスは正しい方法で分離されておらず、その存在証明もなされていません。 

 

コロナはないと認めた世界の機関

 

 

 関連情報

 

米 大学の「ワクチン接種義務化」 最高裁が支持(テレ朝)

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サイトを参照。ワクチン接種を中止する判決を下したのであれば、その直後にワクチン接種の義務化を支持するはずがない。

 

バイデン氏のワクチン接種義務化、共和党議員らから反対相次ぐ(ロイター)

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最高裁の判決でワクチン接種が中止になったのであれば、なぜ共和党議員は誰もそれに言及しないのか。言及しているけれどもメディアが意図的に報じていないだけなのか。

 

米最高裁、バイデン政権による企業のワクチン義務化を阻止(ロイター)

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その一方で、医療従事者への接種義務化は認めた。

 

インド最高裁判所 ビルゲイツの裁判に評決が間もなく下される(Blog)

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2015年11月29日の記事。どのような判決が下されたのか未だに不明。
 
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2022年11月17日に審理が行われるらしい。
 

 

追記①

USA TODAY は Inspirer Radio の記事(2021年5月23日)が情報元だと報じていますが、2020年5月20日に「ビルゲイツやファウチが最高裁で負けた」と言っている者がいます。

 

この者も「過去32年間」と言っています。(動画 2:27~)

 

2018年の時点で「30年間」なので「過去32年間」と言っているのだと思います。

 

 

 

追記②

2021年11月16日に、ロバート F. ケネディ Jr の本『 真実のアンソニー ファウチ: ビルゲイツ、ビッグファーマ、そして民主主義と公衆衛生に対する世界戦争 』が発売されるそうです。→ Site

 

本の紹介文を読む限り、ビルゲイツらに対する訴訟のことは何も書かれてありません。