※ この記事は初学者用に聖書を編集し 注を付したものです。

 

 

イスラエルの人々は道を進んで、エリコに近いモアブの平原に宿営した。

 

モアブの王バラクは、イスラエルを恐れた。イスラエルがアモリ人にしたことを見たからである。

 

バラク王は、占い師のバラムに使者を遣わし、彼にこう伝えた。

「エジプトから出て来た民が地の面(おもて)を覆って、私の前にいます。

どうか今すぐ来て、私のためにこの民を呪ってください。そうしてくだされば、彼らを追い払うことができるでしょう。

あなたが祝福する者は祝福され、呪う者は呪われる。それを私は知っています。」

 

バラムは使者たちに言った。

「今夜はここに泊まりなさい。主(しゅ)が私に告げられるとおりに、あなたがたに返答しましょう。」

 

その夜、神はバラムに臨んで言われた。

「バラクの使者たちと一緒に行ってはならない。イスラエルの民を呪ってはならない。彼らは祝福された者たちだからだ。」

 

バラムは、朝起きると使者たちに言った。

「国へお帰りなさい。主は、私があなたがたと一緒に行くことをお許しにならなかった。」

 

使者たちは帰ったが、バラク王は、前よりも身分の高い使者を前よりも多く遣わした。

 

バラムは使者たちに言った。

「たとえバラク王が家に満ちるほどの金銀を私に与えようとも、事の大小を問わず、私の神【主】に逆らうことはできない。

それで、今夜ここにとどまって、主がこのうえ私に何と仰せられるかを確かめてください。」

 

その夜、神はバラムに臨んで言われた。

「この者たちがあなたを招きに来たのだから、一緒に行きなさい。ただし、私の告げることだけを行わなければならない。」

 

次の朝、バラムは使者たちと共に出発した。

 

ところが、バラムを乗せたロバが道をそれて畑に入ったので、バラムはロバを打って、元の道に戻そうとした。

 

するとロバは、ブドウ畑の間の細い道に入ってしまった。道の両側には石垣があった。

 

ロバは石垣にすり寄り、バラムの足を石垣に押し付けた。

 

バラムはまたロバを打った。

 

すると今度は、右にも左にもそれる余地のない狭い道に入った。

 

そして、バラムを乗せたまま道の途中でうずくまってしまった。

 

バラムは怒りを発し、またロバを打った。

 

その時、主がロバの口を開かれたので、ロバはバラムに向かって言った。

「私があなたに何をしたというのですか。あなたは3度も私を打ったのです。」

 

「お前が私を侮ったからだ。私の手に剣があれば、お前を殺してしまうのだが。」

 

「私は、あなたが今日まで長いあいだ乗られたロバではありませんか。私が今まで、あなたにこのような事をしたことがあったでしょうか。」

 

「いや、なかった。」

 

その時、主がバラムの目を開かれた。

 

バラムは、主の御使いが道に立ちふさがっているのを見て、ひれ伏した。

 

主の御使いは彼に言った。

「なぜあなたは3度もロバを打ったのか。あなたが誤って道を行くので、私は、あなたを妨げようとして出て来たのだ。ロバは私を見たから避けたのだ。」

 

バラムは言った。

「私は罪を犯しました。お気に召さないのであれば、私は帰りましょう。」

 

主の御使いは言った。

「この者たちと一緒に行きなさい。ただし、私の告げることのみを述べなければならない。」

 

注:次の聖句を参照。

『 不義を行う者は、不義にふさわしい報いを受けます。… 彼らは心の定まらない人々を誘惑し、その心は強欲におぼれ、呪いの子になっています。彼らは、正しい道から離れてさまよい歩き、ボソルの子バラムが歩んだ道をたどったのです。バラムは不義のもうけを好み、それで、その過ちに対するとがめを受けました。ものを言えないロバが人間の声で話して、この預言者の常軌を逸した行いをやめさせたのです。』

(ペトロⅡ2章13~16節 新共同訳)

 

バラク王はバラムを出迎えた。そして、バラムと一緒に、バモトバアルと呼ばれる高台に上った。その場所から、イスラエルの宿営の一端が見えた。

 

彼らは、そこに7つの祭壇を築き、犠牲をささげた。

 

バラムはバラク王に言った。

「あなたはここに居てください。その間に私は山へ行って来ます。

主はたぶん私に会ってくださるでしょう。主が私に示されることは、何でもあなたに告げましょう。」

 

こうして、彼は1つのはげ山に登った。

 

神はバラムに会われ、彼の口に言葉を授けられた。

 

バラムは戻り、次の託宣を述べた。

「バラク王が私を招き寄せて言う、『来て私のためにヤコブを呪え、来てイスラエルを呪え』と。神が呪わない者を、私がどうして呪えよう。

 

岩の頂から眺め、丘の上から見たが、彼らは独り離れて住む民。諸国の民で彼らに並ぶ者はいない。

 

誰がヤコブの群衆を数え、イスラエルの無数の民を数え得よう。

 

私は義人のように死に、私の終わりは彼らの終わりのようでありたい。」

 

バラク王はバラムに言った。

「あなたは何ということをするのか。敵を呪うために招いたのに、かえって敵を祝福するとは。」

 

「主が私の口に授けられることだけを語るように、私は注意するだけです。」

 

「では、ほかの所へ行きましょう。彼らの全体を見ることはできないでしょうが、そこから彼らを呪ってください。」

 

バラク王は、ピスガの頂上にバラムを連れて行き、そこにまた7つの祭壇を築いて、犠牲をささげた。

 

バラムはバラク王に言った。

「あなたはここに居てください。私は向こうへ行って、主に伺いますから。」

 

主はバラムに臨み、彼の口に言葉を授けられた。

 

バラムは戻り、次の託宣を述べた。

「バラク王よ、立って聞け。私に耳を傾けよ。

 

神は、人のように偽ることながなく、人のように悔いることもない。

 

神は、言ったことで行わないことがあろうか。語ったことで成し遂げないことがあろうか。

 

祝福せよとの命を私は受けた。しかし、すでに神が祝福されたものを変えることはできない。

 

誰もヤコブの内に災いを見ない。また、イスラエルの内に悩みを見ない。

 

彼らの神【主】が共にいまし、王をたたえる声が聞こえる。

 

神は、彼らをエジプトから導き出された。彼らは野牛の角のようだ。

 

ヤコブには魔術がなく、イスラエルには占いがない。神が、その成すところを時に応じてヤコブに告げ、イスラエルに示されるからだ。

 

見よ。この民は、メス獅子のように立ち上がり、オス獅子のように身を起こす。

獲物を食らい、その血を飲むまでは身を横たえない。」

 

バラク王はバラムに言った。

「彼らに呪いをかけられないのなら、祝福もしないでもらいたい。」

 

「主の言われることは何でもしなければならないと、あなたに言ったではありませんか。」

 

「それでは、あなたを別の場所へお連れしよう。そこからなら、彼らを呪うことを神は許されるかもしれない。」

 

彼らは、モアブの平原を見下ろせるペオル山の頂上に行き、そこにまた7つの祭壇を築いて、犠牲をささげた。

 

バラムは、イスラエルを祝福することが主の御心に適うことだと悟ったので、

いつものように魔術を行うことをしなかった。そして、顔を平原に向けて目を上げ、イスラエルが部族ごとに宿営している風景を見た。

 

その時、神の霊が臨んだので、彼は次の託宣を述べた。

「べオルの子バラムの言葉。目を閉じた人の言葉。神の言葉を聞く者、全能者の幻を見る者、倒れ伏して目を開かれた者の言葉。

 

ヤコブよ、あなたの天幕はうるわしい。イスラエルよ、あなたの住まいはうるわしい。

 

それは、遠く広がる谷のよう、川辺の園のよう、主が植えられたアロエの樹のよう、流れの畔の杉のようだ。

 

彼らの瓶(かめ)から水はあふれ、彼らの種は水の潤いに育つ。

 

彼らの王はアガク(アマレクの王)よりも高くなり、彼らの国は崇められるだろう。

 

彼らは、敵対する国を滅ぼし、その骨を砕き、矢を刺し通すだろう。

 

彼らは、オス獅子のように身をかがめ、メス獅子のように伏している。誰が彼らを起こし得よう。

 

あなたを祝福する者は祝福され、あなたを呪う者は呪われるだろう。」

 

バラク王は怒りを発して言った。

「敵を呪うために招いたのに、3度も彼らを祝福した。今すぐ帰ってくれ。あなたを大いに優遇しようと思ったが、主はそれを止められた。」

 

バラムは言った。

「私は帰ります。それで、彼らが後の日にあなたの民に何をするか、警告しておきます。」

 

そして次の託宣を述べた。

「私は彼を見る。しかし今ではない。私は彼を望み見る。しかし近くではない。

 

ヤコブから1つの星が出て、イスラエルから1本の杖が起こり、モアブのこめかみを撃ち、セトのすべての子らの脳天を撃つだろう。

 

敵のエドムは領地となり、セイルもまた領地となるだろう。

 

そしてイスラエルは勝利を得る。

 

支配する者がヤコブから出て、生き残った者を町から断ち滅ぼすだろう。」

 

こうして、バラムは自分の家に帰って行った。

 

注:次の聖句を参照。

『 アンモン人とモアブ人は主の会衆に加わることはできない。十代目になっても、決して主の会衆に加わることはできない。それは、かつてあなたたちがエジプトから出て来たとき、彼らがパンと水を用意して旅路で歓迎せず、アラム・ナハライムのペトルからベオルの子バラムを雇って、あなたを呪わせようとしたからである。あなたの神、主はバラムに耳を傾けず、あなたの神、主はあなたのために呪いを祝福に代えられた。あなたの神、主があなたを愛されたからにほかならない。』

(申命記23章4~6節 新共同訳)

 

イスラエルが アベルシッテム にとどまっていた時、モアブの娘たちと淫らなことを民がし始めた。

 

娘たちが神々に犠牲をささげる時に民を招いたので、民は娘たちの神々を拝んだ。

 

こうして、イスラエルがペオル山のバアルに付き従ったので、主が怒りを発せられ、民の間に疫病が発生した。

 

主はモーセに言われた。

「民の長をすべて捕え、主の前で処刑しなさい。そうすれば、主の怒りはイスラエルを離れるだろう。」

 

そこでモーセは、イスラエルの裁き人たちに言った。

「ペオルのバアルに付き従った者を殺しなさい。」

 

モーセとイスラエルの全会衆が幕屋の入り口で泣いていた時、彼らの目の前で、1人のイスラエル人が、1人のミディアン人の女を連れて来た。

 

アロンの孫のピネハスは、それを見ると、槍を手に取り二人を殺した。

 

ミディアンの女と一緒に殺された者は、シメオン族の指導者であった。殺された女は、一族の頭(かしら)の娘であった。

 

こうして、疫病がイスラエルの人々に及ぶのが止んだ。 

 

この疫病で死んだ者の数は、2万4000人にものぼった。

 

主はモーセに言われた。

「ピネハスが、自分のことのように私の憤激をイスラエルの人々に表し、私の怒りを取り去ってくれたので、私はイスラエルの人々を滅ぼさなかった。

 

それゆえ、私は彼に平和の契約を授ける。彼は、神のために熱心であって、イスラエルのために罪のつぐないをしたからだ。」

 

主はまたモーセに言われた。

「ミディアン人を倒しなさい。彼らは、企みをもってあなたたちを悩まし、ペオルの事件とミディアンの女の事とによって、あなたたちを惑わしたからだ。」

 

注:以下の聖句を参照。

『 彼らはバアル・ぺオルを慕い、死者にささげた供え物を食べた。この行いは主の怒りを招き疫病が彼らの間に広がった。ピネハスが立って祈ると、疫病はとどめられた。』(詩編106編28~30節 新共同訳)

 

『 バラムは、イスラエルの子らの前につまずきとなるものを置くようにバラクに教えた。それは、彼らに偶像にささげた肉を食べさせ、みだらなことをさせるためだった。』(黙示録2章14節 新共同訳)   

 

主は、モーセと祭司エルアザル(アロンの子)に言われた。

「イスラエルの全会衆の総数を家系に従って調べ、戦争に出ることができる二十歳以上の者を数えなさい。」

 

その数は次のとおりである。

 

1. ルベン族の者:4万3730人

 

2. シメオン族の者:2万2200人

 

3. ユダ族の者:7万6500人

 

4. イッサカル族の者:6万4300人

 

5. ゼブルン族の者:6万500人

 

6. ダン族の者:6万4400人

 

7. ナフタリ族の者:4万5400人

 

8. ガド族の者:4万500人

 

9. アシェル族の者:5万3400人

 

10. ベニヤミン族の者:4万5600人

 

11. エフライム族の者:3万2500人

 

12. マナセ族の者:5万2700人

 

以上が、イスラエルの子孫の数えられた者であって、総計60万1730人である。

 

レビ族で数えられた者の数は、生後1か月以上の男子が 2万3000人である。

 

レビ族は、嗣業(しぎょう)を与えられなかったため、イスラエルの人々と共に数えられなかった。

 

以上は、モーセと祭司エルアザルがモアブの平原で数えた、イスラエルの人々の数である。

 

その中には、モーセとアロンによってシナイの荒野で数えられた者は、一人もいなかった。かつて主が、「彼らは必ず荒野で死ぬだろう」と言われたからである。

 

彼らのうち、カレブとヨシュアのほか、一人も生き残った者はいなかった。

 

注:次の聖句を参照。

『 彼らは、イスラエルの人々の間では嗣業の土地を持ってはならない。わたしは、

イスラエルの人々が主にささげる献納物の十分の一をレビ人に彼らの嗣業として与えるからである。』(民数記18章23~24節 新共同訳)

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「嗣業」とは、神によって与えられる受け継ぐべき財産のことである。

 

『 カデシュ・バルネアを出発してからゼレド川を渡るまで、三十八年かかった。その間に、主が彼らに誓われたとおり、前の世代の戦闘員は陣営に一人もいなくなった。主の御手が彼らに向けられ、陣営に混乱が引き起こされ、彼らは死に絶えたのである。』(申命記2章14~15節 新共同訳)

 

モアブの平野で、主はモーセに言われた。

「イスラエルの人々に命じて、その嗣業の中から、レビ人に住むべき町を与えさせなさい。また、その町の周囲の放牧地も レビ人に与えなさい。

 

レビ人に与える町は6つだ。この町は、復讐する者からあなたたちが避けて逃れる町であって、誤って人を殺した者が裁判を受けないうちに殺されることがないようにするためだ。

 

また、このほかにも、42の町をレビ人に与えなさい。大きい部族から多く取り、小さい部族から少なく取り、各々の受ける嗣業に従ってその町々をレビ人に与えなさい。」

 

モーセとイスラエルの人々の前で、マナセの一族であるツェロフハドの娘たちが訴えた。

「私たちの父は荒野で死にました。父は、主に逆らった者たちの仲間に加わりませんでしたが、男子がいませんでした。

 

男子がいないからといって、どうして父の名が氏族から削られなければならないのでしょうか。

 

父の兄弟と同じように、私たちにも所有地をください。」

 

モーセがそのことを主に述べると、主はモーセに言われた。

「ツェロフハドの娘たちの主張は正しい。彼女たちにも嗣業の所有地を必ず与えなければならない。

 

イスラエルの人々にこう言いなさい。

ある人が死んで男子がいない場合は、その嗣業の土地を娘に渡しなさい。

娘がいない場合は、父の兄弟に与えなさい。

父に兄弟がいない場合は、その氏族の中で彼に最も近い親族に与えなさい。」

 

後日、モーセとイスラエルの人々の前で、マナセの一族の家長たちが言った。

「ツェロフハドの娘たちが他の部族に嫁ぐならば、彼女たちの嗣業は、その嫁ぎ先の部族の嗣業に加えられるでしょう。

 

たとえヨベルの年が訪れても、彼女たちの嗣業は、その嫁いだ先の部族の嗣業に加えられ、私たちの父祖の部族の嗣業から取り除かれてしまうでしょう。」

 

モーセは主の言葉に従って、イスラエルの人々に言った。

「彼らの言うことは正しい。ツェロフハドの娘たちについて、主の命じられたことはこうである。彼女たちは、心に適う者に嫁いでもよいが、自分の父祖の部族にのみ嫁がなければならない。そうすれば、イスラエルの人々の嗣業は、部族から部族に移らないだろう。」

 

ツェロフハドの娘たちは、主がモーセに命じられたとおりにした。

 

注:以下の聖句を参照。

『 君主は民の嗣業を取り上げてはならない。彼らの所有地を奪ってはならない。自分の所有地は自分の子らに相続させねばならない。それは、わが民の一人でも、その所有地から追い立てられることがないためである。」』(エゼキエル46章18節 新共同訳)

 

『 土地を売らねばならないときにも、土地を買い戻す権利を放棄してはならない。

土地はわたしのものであり、あなたたちはわたしの土地に寄留し、滞在する者にすぎない。あなたたちの所有地においてはどこでも、土地を買い戻す権利を認めねばならない。もし同胞の一人が貧しくなったため、自分の所有地の一部を売ったならば、

それを買い戻す義務を負う親戚が来て、売った土地を買い戻さねばならない。もしその人のために買い戻す人がいなかった場合、その人自身が後に豊かになって、自分で買い戻すことができるようになったならば、その人は売ってからの年数を数え、次のヨベルの年までに残る年数に従って計算して、買った人に支払えば、自分の所有地の返却を受けることができる。しかし、買い戻す力がないならば、それはヨベルの年まで、買った人の手にあるが、ヨベルの年には手放されるので、その人は自分の所有地の返却を受けることができる。』(レビ記25章23~28節 新共同訳)

 

「ヨベルの年」は、イスラエルの人々がその所有地の返却を受ける年であり、五十年に一度訪れる(レビ記25章8~13節を参照)。

 

主はモーセに言われた。

「アリバムの山に登って、私がイスラエルの人々に与える土地を見渡しなさい。

 

それを見てから、あなたも兄弟のアロンのように先祖の列に加えられるだろう。

 

これは、チンの荒野で会衆が逆らった時、あなたが私の命令に逆らって、私の聖なることを現さなかったからだ。」

 

モーセは主に言った。

「すべての肉なる者の神【主】よ。どうぞ、会衆の上に一人の者を立ててください。」

 

主はモーセに言われた。

「神の霊が宿っているヨシュアを選び、あなたの手を彼の上に置きなさい。

 

そして、祭司エルアザルと全会衆の前で、彼を職に任じなさい。彼にあなたの権威を分け与え、全会衆を彼に従わせなさい。

 

エルアザルは、ヨシュアのために主の判断を求めなければならない。

 

ヨシュアと全会衆は、エルアザルの言葉に従って出陣し、また引き揚げねばならない。」

 

モーセは、主に命じられたとおりに、ヨシュアを選んで職に任じた。

 

注:「アリバム」は死海の東側の地域である。

 

主はモーセに言われた。

「ミディアン人に報復しなさい。その後、あなたは先祖の列に加えられる。」

 

そこで モーセは、部族ごとに1000人ずつ合計1万2000人を戦いに送り出した。

 

彼らは、主がモーセに命じられたとおりに、ミディアン人と戦って、男子を皆殺しにした。

 

そのほかに、ミディアンの五人の王を殺し、占い師のバラムも殺した。

 

また、女と子供を捕虜にし、その家畜と貨財をすべて奪い取り、町や村をすべて焼き払った。

 

ところがモーセは、帰還した者たちに怒り、こう言った。

「なぜ女たちをみな生かしておいたのか。

 

ペオルの事件はどうして起こったか。この女たちが、バラムにそそのかされて、イスラエルの人々に罪を犯させたからではなかったか。

 

今から子供のうち男子をみな殺すのだ。男と寝た女もみな殺しなさい。」

 

主はモーセに言われた。

「イスラエルの人々にこう言いなさい。

『ヨルダン川を渡ってカナンの地に入るときは、その土地の住民をすべて追い払い、すべての石像と鋳像(ちゅうぞう)を壊し、すべての祭壇を破壊しなければならない。

 

住民を追い払わないならば、その者たちは、あなたの目のトゲとなり、脇腹のイバラとなってあなたを悩ますだろう。

 

私は、彼らにしようと思ったとおりに、あなたにするだろう。』」