台湾の大統領選で蔡英文さんが再選されました。



4年前、2016年のちょうど今頃、彼女が大統領に当選した時、自分のメールマガジンで特集した時の記事を見つけました。

メールマガジンを書いていて一番良いことは、「取材のため」と言って、友達にいろんな話を聞けることです。
今、小泉進次郎さんが育休を取って話題になりましたが、台湾の男女平等の状況について、友人4人に聞いた話がとても興味深いものでした。
真剣にメールに回答してくれた友人に感謝ですね。皆さんに一部をシェアします。

★インタビューした4人の友人★
🔴Aさん(台湾人女性):2010~12年まで日本に留学経験あり。現在は新北市の日系企業に勤めている。
🔴Bくん(日本人男性):祖母が台湾人のクォーターで香港育ち。(私の香港日本人小学校の同級生。)二年に一度、親戚に会いに台湾に帰省しているそうです。
🔴Cくん(日本人・男性):台湾に1年留学経験あり。現在、日本の大学院で中国語学を専攻中。中国語が堪能できる尊敬しています。
🔴Dさん(日本人・女性):台湾に留学経験あり。日本在住。中国語が堪能で尊敬しています

◆質問2◆ 女性が総統に当選しましたが、台湾は男女平等社会と思いますか?

★Aさん…私は日本から台湾に帰国後、約3年、日系企業で働きました。日本人の同僚の話によると、建築やIT産業などでは、日本ではほぼ男性社会だそうですが、台湾では女性幹部が多いです。
男女平等というより、実力主義ですね。私の母の世代(60代)は、半数が今も働いています。
それは、台湾はすでに20年以、初任給が上がっておらず、男性だけの給料で家庭の生活を成り立たせるのは正直厳しいからです。働く女性は経済的に自立したいという気持ちがあふれ、気が強いですね。

★Bくん…蔡英文は元学者であるし、女性として細やかな気配りを発揮しながら、庶民レベルの
現実に則した政策を掲げ、遂行すると期待する。中華圏では男尊女卑が色濃く残り、
蔡英文の出身地である南部では特に濃い。女性総統誕生により、女性地位向上が促進し、国際競争にも勝てるのではないかと、個人的には思う。

★Cくん…男女平等社会の実現へと確実に近づいていると思います。1990年代中頃から男女平等の実現へ向けた法整備が進められており、儒教的価値観を共有する東アジアの中で、最も男女平等に近い社会であると言えます。
今後、日本を含めた東アジアの男女平等化へのモデルとしての台湾の貢献が期待されます。
一方で、台湾において男女平等社会が完全には実現されておらず、それ故、法律によって市民の思想や行動を制限しているのだという指摘も可能だと、覚えておく必要があるかもしれません。 

★Dさん・・・良くも悪くも男女平等だと思います。 去年出産した台湾人の公務員の友人は産まれる3日前まで働いてましたし、産休も日本に比べてすごく短いようです。 日本の産休制度が羨ましいと言ってましたが、私が”大変だね”と言うと彼女は”早く戻らないと職場のみんなに迷惑だから”と言ってました。 
それを聞いた時に台湾は完全に男女平等だと思いました。仕事に対しても家庭に対しても男女平等に責任があり、その考えが自然に浸透してうまく機能しているのではと思います。制度以上にこの考えが浸透していることが重要です。日本がなかなか男女平等になれない理由は、考え方が浸透しないことが大きいと思います。
そこが羨ましいです。 日本も男だ女だと言う以前に、優秀な人が認められるようになるといいですね。
ただし日本女性に対し男女平等を説く台湾男子には、単なる無責任で軟弱なだけの人がいることも事実です。 責任を負いたくなく、女性蔑視になる人です。 台湾は男女平等な社会なので、こういう人は淘汰されると思いますが…。

(インタビューここまで)

最後のDさんの話は強烈に覚えています。
私も小4まで香港で過ごしましたが、父の話によると、父の会社で、前日に赤ちゃんを出産したばかりの女性社員さんが、次の日に普通に出勤してバリバリ働いていたそうで、父は小学生だった私に驚きながら話してくれました。
同じアジアでも、中華圏と日本では文化が全然違うのです。
(一方では、Bくんが台湾の田舎地方は男尊女卑が色濃く残っているとも話していて、状況は見え方によって色々ということも追記しておきます。)