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やさしく読める英語の聖書

 Vol.34 最も弱い人にすること
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[今日の聖句]
★マタイの福音書 25章 35~40節

25:34 そこで、王は右側にいる人たちに言う。
 『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。
25:35 あなたがたは、私が空腹であった時、私に食べる物を与え、私が渇いていた時、私に飲ませ、私が旅人であった時、私に宿を貸し、
25:36 私が裸の時、私に着る物を与え、私が病気をした時、私を見舞い、私が牢にいた時、私を訪ねてくれたからです。』
25:37 すると、その正しい人たちは、答えて言います。『主よ。いつ、私たちは、あなたが空腹なのを見て食べる物を差し上げ、渇いておられるのを見て、飲ませてあげましたか。
25:38 いつ、あなたが旅をしておられるときに泊まらせてあげ、裸なのを見て、着る物を差し上げましたか。
25:39 また、いつ私たちは、あなたのご病気やあなたが牢におられるのを見て、お訪ねしましたか。』
25:40 すると、王は彼らに答えて言います。
『まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらの私の兄弟たち、しかも最も小さい者たちの一人にしたのは、私にしたのです。』

★Mathew 25:35~40
34 “Then the King will say to those on his right, 
‘Come, you who are blessed by my Father; take your inheritance, the kingdom prepared for you since the creation of the world. 

35 For I was hungry and you gave me something to eat, I was thirsty and you gave me something to drink, I was a stranger and you invited me in, 

36 I needed clothes and you clothed me, I was sick and you looked after me, I was in prison and you came to visit me.’

37 “Then the righteous will answer him, ‘Lord, when did we see you hungry and feed you, or thirsty and give you something to drink?

38 When did we see you a stranger and invite you in, or needing clothes and clothe you? 

39 When did we see you sick or in prison and go to visit you?’

40 “The King will reply, ‘Truly I tell you, whatever you did for one of the least of these brothers and sisters of mine, you did for me.’

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皆さん、こんにちは。英語塾講師の椿由紀と申します。このメールマガジンでは、

●キリスト教の聖書って、どんなことが書いてあるの?
●この聖句は、英語でどんな風に表現するの?

そんな皆さんの疑問に答えられるように、
やさしくコラムを書いていきたいと思います。

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皆さん、こんにちは。
今日(7月23日)私は、こんなニュースを読みました。

★メダリストたち、池江選手にエール
 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019072201187&g=spo



以前、このメールマガジン11号でも、白血病を診断された、水泳選手の池江璃花子選手のニュースと、
彼女が引用した聖句、第1コリントの信徒への手紙、10章13節
「神はあなたがたを耐えられないほどの試練に会わせることは、なさいません」
を紹介しました。

その池江選手に向かって、世界の水泳メダリスト達が、手のひらに “Never Give Up”と応援のメッセージを書いてエールを送ったというのです。

この「励ましのメッセージ大作戦」を思いついた、銀メダリストのショーストレム選手は、池江選手のライバルだそうです。

私は、この3人の選手は、自分の勝利のことだけを考えず、
病気で治療中の他の選手のことも思いやることができて、本当に優しくて素敵な人達だなぁ!…と感銘を受けました。

その時、心に浮かんだのが、今日の冒頭でご紹介した聖句です。

イエス様は例え話をします。
「一番弱い人、一番小さい人に、優しく親切にすることは、神様に親切にすることと同じだよ。
そういう人が、神の国を受け継ぐんだよ」と。

偉大な人とは、何か大きなことを成し遂げたり、地位や名誉を築くことではなく、
小さい人や弱い人への思いやりと愛の行為が出来る人だと、聖書は教えているのです。

数年前、著書を通して、私にこの生き方を教えてくれた人がいらっしゃいます。
それは、ノーベル生理医学賞を受賞された、山中伸弥教授です。

『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』
山中 伸弥  (著), 緑 慎也 (著)
https://amzn.to/30UX9w9

この本の中で、
「研究者が背負うには重すぎる重圧のようにも思えます」
と質問するインタビュアーに対して、山中先生は
次のように答えていらっしゃいます。

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「いや、iPS細胞という技術とであってしまったので、当然のことだと思います。
それこそ、「なんで自分がこんな目に遭わなあかんのか」って言いたくなるのは、
ALSなどの難病を患う方たちの方だと思います。
 
ぼくはマラソンも走れるし、お酒も飲ませてもらっているわけだから、
彼らの苦しみとぼくの苦しみはまったく次元がちがいます。
でも、僕らが頑張ったら、彼らの苦しみを少しでも減らせる可能性がある。

臨床医の道から離れて研究者になってから、患者さんと接する機会は、ほとんどありませんでした。
ところがいまのような研究所の所長という立場になると、臨床医のころでさえ
出会わなかった重い難病の患者さんや、そのご家族の方たちによく会います。
そういう意味では、自分たちが何のために研究をしているのかを再確認する機会がたくさんあるのです。

確かに重圧もあるし、逃げ出したくなる時もあります。
でも、本当に苦しんでいる方たちやそのご家族の方たちが、
「健康に気をつけて、研究を頑張ってください」といって、
ぼくらの体を気遣ってくれるのです。その気持ちがありがたいし、逆にこの仕事をさせてもらえることに幸せを感じています。

(引用 ここまで)
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 私は、この山中先生の言葉を読んだ時、電車の中でしたが、涙が止まらなくなってしまいました。

難病で苦しんでいる患者さんを見て、
「大変だな、つらいだろうな、大丈夫かな・・・」
と、心配する人は、たくさんいらっしゃるでしょう。
「そんな患者さん達を救うのが、医者の仕事」-だと、私は思っていました。

しかし、「救う者と救われる者」という関係だけではなく、山中先生は、病気と闘う患者さん、そして家族の皆さんに、大きな大きな敬意を注いでいることが、この言葉から感じられます。

 この本を読んだ時、山中先生が、寝る間も惜しんで研究しているのは、
私のためでもあるんだ…と感じて、心から感謝し、頭が下がりました。
(もちろん、私は山中先生にお会いしたこともないのですが。)

山中教授が、寝る間も惜しんで研究に人生を捧げていらっしゃるのは、人類全体への思いやり、尊敬、愛の心のためだと思います。

彼の研究する姿を見て「私のために、ありがとうございます!」と思ってしまうのは、
イエス様が「一番小さい人にしてくれたことは、私にしてくれたことと同じ」とおっしゃるのと
何だかちょっぴり、似ている気がするのです。
私達は、神様の愛の下で、繋がっているのですからね!

そんなことをふと考えていると、
神様が私にウィンクしてくれているように感じました。

3人の女性水泳選手の、美しい愛の心に乗せて、
私の気持ちも、池江璃花子選手や、病気と闘っている勇敢な患者の皆様に
届きますように!…とお祈りしました。

今日もお読みいただき、本当にありがとうございました。
God bless you. Have a nice week.