マチ子さんちの黄色い牡丹。
赤や白とはまた違った風情で、
なんだろう、そっと
元気を差し出してくれる。
一枚一枚の花びらは、
こんなに
儚いのに。
きっとこの牡丹は
夜の中で月と同じ光を放つ。
種まきも無事完了したよ。
同じことを繰り返す。
“繰り返すことに意味があるんだよ”
いつか貴女は言ってくれた。
季節の行事。
季節の食べ物。
季節の心。
同じようにめぐりめぐる時間の中で
一秒一秒変わってゆけるのが
私たち。
ねぇ、昔はあんなに嫌だった農作業が
今は愛しいの。
あんなに憎んでいた家族のことが
今はすごく大切なの。
失われてゆくものばかりの世界に、
私は無責任で抗いがたい愛を
たくさんもらってる。
“この世界はさ、
ほんとうはしあわせだらけなんだよ”


