一枚目この子は2010年位に私が殺した子です。

当時私が出さなかったら確実に
殺処分が決まっていた事を私は理解していました。

最後まで人を信じず
誰にも触られる事を許さず
この目つきで人に媚びることを
一ミリもせずに、最後までプライドを捨てずに犬生の幕を閉じました。

日々この子の目と
その時の私がこの子を
諦めて殺してしまった気持ちを忘れること無く今に至ります。

センターで
自分が諦め殺したと自覚があるのは
この12年で二頭。

その他力不足で引き出せ無く
殺してしまった子は
数百頭。

そしてその他の
私が今日引き出さなかったら
次、明日の命の保障が無い子に対して
唯一その日出来る事は、

触らない事。
目を合わさない事。
語りかけ無い事。
期待させる全ての事をしない事。
その子の顔を横目で見て
脳裏に自分が殺した子として
焼き付ける事。
それを背負って一生生きる事。

自分の力不足により殺されるかもしれない命に対して
自分を慰める、許そうとする、気持ちを少しでも楽にする様な偽善な行動となる
事をしない事。
その崖っぷちにいる個体に少しでも期待を持たせ無い事。
それが唯一出来る事でした。

昨日は大磯捕獲の立派な猟犬の引き出しでした。

この子は一歳未満のメスですが
これ系のオスは今までヤバいオスが多かったです。

過去に私の所に来たこれ系のオスは
大体センター収容前や
収容後に他犬を噛み殺す事件を起こした奴ばかりでした。

今まで何回も言っていますが
センター収容前、後に
その犬に接しこの子はこうだ。ああだ。
等と判断してしまう事はとても怖い事です。

人のさじ加減で良い犬にも悪い犬にも
してしまうと言う事です。
現場のその人間のさじ加減により
悪い犬に仕立て上げ殺処分。
なんて事になるからです。

センター収容時、極限の緊張と環境にて
いるその個体の最終判断なんて
ほぼ当たらず、しては駄目なんです。

殺処分のガイドラインに沿って
譲渡困難な個体の処分も同じです。
三、四年で入れ替わる職員さんと
取り巻くボランティアの
経験不足のさじ加減での判断なんて危険でしか無いです。
スリープされた犬ほとんどが死ななくても良かったはずの命です。

そんな奴らは蓋を開けて見ると
みんな抜群に良い犬で
ここで学びトラブルを起こさなくなり
素晴らしい里親様の元へ第二の犬生を
スタートさせました。

本当の意味で彼らを救って下さっています日本全国全ての里親様、
ありがとうございます!

#神奈川県動物愛護センター
#猟犬